MTLメンバーの寺井です。7/18にマッシュアップキャラバンで京都でお話させていただきました。
20分発表のうち、前半は個人製作者がマッシュアップする楽しさを、後半は僕なりのアイデア発想法と突貫で作ったデモアプリを紹介させていただきました。
発表内容の原稿データを改編し、前半分だけ書いておきます。
おはようございます。リクルートメディアテクノロジーラボの寺井です。Flash、ActionScriptをやっておりまして、trick7.com名義でFlash関連の個人ブログをやっております。
本日はマッシュアップキャラバンということで、外部サービスのデータを使うことの楽しさみたいなものをお伝えできればと思います。
最近はWeb制作、Flashの業界でも分業化が進み、それなりの規模のサービスはそれなりの人数でないと作れない!みたいになってきていますが、それはちょっと寂しいよなと僕は思っています。今Flash業界で第一線で活躍されているクリエイターと呼ばれる人達も、もともとは一人で完結した作品を発表しつづけることで今のポジションに辿りつかれたのだと思います。
ということで、今日は個人製作者のFlashの楽しみ方という感じでお話させていただきます。MAキャラバンということなのでそれも併せて、個人でもマッシュアップは楽しめるし、個人ならではのメリットもあるんだということをお話していきます。
僕はいわゆる文系でして、4年前ぐらいにif文すげーなfor文すげーなと言ってた程度のプログラミングスキルです。去年までFlashでAPI・つまり XMLファイルを読み込む方法をいまいち理解できておらず、初めてマッシュアップしたのは去年の今ぐらいという、割と最近の出来事です。
たしか初めて使ったAPIは去年のMA3の対象APIにもなっていた「文字音声変換API」だと思います。テキストを渡してやればAPIがそのテキストをMP3の音声に変換してくれ、そのURLを教えてくれるというWebサービスです。
これで何か作れそうだなぁと思って去年の夏に個人作品として作ったのがこれです。「コジマヨシーケンサー」といいます。
これを作ったことで「自分はテキストデータを喋らせるスキルを手に入れたんだ!」という実感を感じました。そうとわかれば「PCに喋らせる」系コンテンツのアイデアを考えるようになります。できたのが「BOOOT.tv」というWiiインターネットチャンネル用コンテンツです。
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これは先ほどの文字音声変換APIと、カーセンサーnetの中古車検索APIを利用しています。僕の場合は何かAPIを使うコンテンツを考える時は、APIリファレンスを眺めて「こういうデータがあるからあれができるかもなぁ。」とアイデアを巡らすことが多いです。このBOOOT.tvの時は、「APIってXML のデータが並んでるなぁ。キャッチコピー文以外は素気ないデータだからしゃべらせても面白くないなぁ。じゃぁ適当にデータをつなげて無理やり会話調にしてみよう!」というのがきっかけでした。「自分は喋らせることができるんだから、無理にでも喋らせてやるぞ!」という思い込みがこのアイデアにつながりました。
コジマヨシーケンサーで身に付けた「喋らせる」テクニックが活用できたわけです。「このスキルはできるようになったから、次は別のスキルを混ぜて、ああいうサービスが作れるかも」と、可能性が広がる感じです。僕たちモノ作りの側の人間は、実際に自分の手を動かす人種ですから、やっぱり制作時間のことを考えてしまいます。「いいアイデアがあるけど、あの技術とあの技術の合わせ技って僕にできるだろうか?どんだけ時間かかんねん?」そいいう時に大事なのは「あの技術なら自分は使える」という自信・安心です。そう実感できるために大事なのはひとつひとつの興味・課題に対してとにかく手を動かすことだと思っています。その積み重ねがさらなるアイデアの種になるのではないかと思います。
同じ感じで、リクルートの海外ツアー情報提供サービスAB-ROAD向けに作ったブログパーツ「モアイとばし」を紹介させていただきます。
クリック連打ゲームです。制限時間内にクリックした回数に比例してモアイを遠くまで飛ばせます。飛んだ先の国にいくらでツアー旅行できるのかを知ることができます。
・海外ツアー情報なんて個人では入手できませんよね。それが使えるのがAPI活用、マッシュアップの楽しいところです。
・さらに「東京からその国まで何kmあるか」という情報も個人では手に負えません。こういう情報もネット上の情報を活用・流用・応用することで個人でもこういう情報を使えるんです。
意識していただきたいのは、APIは自分の制作の可能性を狭める「制約」ではなく、笑点の大喜利でいうところの「お題」だということです。
「何か面白いコンテンツを作ろう!」だとなかなか思いつきません。「中古車情報の新しい見せ方を考えてみよう!」とか「海外旅行をテーマに面白いものを。」というふうに、テーマを決めて考えればイメージが湧きやすい。MA4は、(賞金的な意味でも)わりのいい公募ガイドみたいなもんだというのが僕の実感です。
去年の冬のお話ですが、DESIGN SHOWCASEというリクルートのホットペッパーAPIを使ってクリエイターが自由にコンテンツを作るというイベントがありました。僕もクリエイターとして参加し、出したのがこれです。

「ミセエラビル」というホットペッパーAPIを使ったコンテンツです。BOOOT.tvで「僕Wiiコンテンツ作れるよ!」という自信がついているので、またしてもWiiコンテンツです。ただそのままでは面白くないので、一段階ステップアップして「Wiiで4人同時プレイ」という課題に挑戦しました。一応PCでも動くのですが、こうやって複数人が同時に自分の好きな料理をフィーリングで選んでいくわけです。相手を蹴落としたり出来たりもします。そうやって頂上まで行くと、みんなが何となく選んできた写真から、全員が何となく食べたいと思っている料理ジャンルが集計され、最寄りの飲食店を決めることができるのです。ちなみに途中に表示されてた写真はランダムで表示されたものなので、特定の地域を選んだからといって写真が特定されたりといったことはありません。
個人で作るということは、そのコンテンツの使われ方・ルール・雰囲気を全部自分で決定できるということです。自分が思い描くユーザーのためにコンテンツを作れる。自分が思い描く使用シーン、まぁリサーチもしないので全部妄想なのですが、僕の個人的経験だと、みんなでお店を選ぶ時、みんながみんな「どこでもいいよー」って言ってなかなか店が決められない時があるんです。そこを解決したかったんです。大事なのは「みんなで納得して店を決めた」という事実で、別に最後にお勧めされた店がまずかろうが誰が悪いということがないようにしたかったんです。「みんなできめたんだし仕方ないな(笑)」っていう空気を作りたかったわけです。ホットペッパーのデータを利用して、独自の切り口でWebサービスを作れる。そういうことがとても楽しいです。
僕のように半端なスキルの人が作るサービスは突っ込みどころが満載です:
・女性店員の写真にみんな飛びついた→場の盛り上がるといいなぁ
・ちょっとPCのキーボード操作はギャグでしょ!?→隣のあの娘と触れ合うきっかけに
・いじられキャラが蹴落とされまくり→だってしょうがないじゃない
・地方すぎて店ないじゃん→「俺ら田舎もんw。コンビニでもいくかw」
・キャラがPoserという3Dソフトのデフォルトのまま→逆にそこを突っ込んでほしい。
これでいいのだと割り切って作っています。こういうことは会社のサービスでつくれば「対応すべき問題」として扱われますが、個人で作る分には「そういう設定」「それはそれで楽しいから」という考え方でもいいのではないでしょうか。
今、 Webの世界はどんどん洗練されてきて、映画のような動画が見れたり、あたらしい技術がどんどん生まれてどんどん便利なサービスが登場しています。かっこいいFlashサイトもいっぱいありますが、そればっかりじゃ疲れませんか?テレビでずっとMatrixとかスターウォーズばっかりやってたらさすがに疲れますよね。とくに関西の人w。
探偵ナイトスクープの「パラダイス」のコーナーあるじゃないですか。全国各地のぶっ飛んだテーマパークを紹介するコーナーですね。探偵ナイトスクープの中でも人気コーナーだと思うのですが、あのテーマパークのほとんどが、ぶっ飛んで突っ走った個人が異常な情熱で運営してることが多いですよね。僕ああいうの大好きだし、人気コーナーなんだから僕の他にも好きな人が多いということでしょう。そういうパラダイスってディズニーランドのようにお金もかけて完成度を高めて多くの人に夢を与えるということはできないですけど、それでもなおパラダイスが運営できているのは稀にツボにハマる人が確実に存在しているからです。そして何より、「運営者本人が好きでやっている・一番楽しんでいる」というのがブラウン管からも伝わるので、大笑いしつつもハートウォーミングな印象を持つのだと思います。
フランスの郵便配達人「フェルディナンド・シュバル」さんの「シュバルの理想宮」も「作り手の情熱」の好例です。仕事帰りに毎日コツコツ石を持ち帰って石の城を作った人です。個人の狂気なまでの情熱が作り上げたパラダイスですよね。ジョブスも「ハングリーであれ、バカであれ」って言ってますよね。関西風に表現すると「個人製作者よ、パラダイスたれ」って感じですかね。
(以下後編)






