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99designs CEO Patrick氏が語る、国際展開におけるローカルパートナーの重要性 ーTech Crunch Tokyo2015

2015/12/09

2015年11月18日(水)、リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄、以下リクルート)がダイヤモンドスポンサーとして協賛した「TechCrunch Tokyo 2015」が開催され、リクルートストラテジックパートナーズの投資先(※)である99designsの CEO Patrick Llewellyn氏が登壇。
国際展開をテーマに、自社のビジネスモデルや今日にいたるまでの歩み、日本での展開などについて語りました。

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【写真:99designs CEO Patrick氏】

99designsは、世界192カ国100万人超のデザイナーを活用したクラウドソーシング型マーケットプレイスを運営する企業です。
コンテスト/プロジェクト形式にてロゴやグラフィックデザインサービスを提供し、企業は高品質なデザインをリーズナブルに手にできます。
同社は2008年のサービス提供開始以降、世界最大級のクラウドソーシング型デザインマーケットプレイスとして位置づけられており、現在までに約46万回のコンテストを開催し参加したデザイナーへの報酬支払実績は累計132百万ドルに達しています。(2015年11月現在)

印象的だったのは、もともとはデザイナー向けの掲示板でのやりとりからはじまったビジネスだということ。デザイナーがいろいろなアイデアを提供し、非公式に投票する遊びをビジネスに発展させたのだといいます。

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【写真:99designsのデザインコンペで作成したTechCrunch Tokyo 2015のトートバック】

Patrick氏はビジネスモデルの優位性を、クライアントにとってリスクがない点とします。
多様なデザインを実際に見てから購入することができる。気に入るものがなければ、返金してもらうこともできるのです。
事実、デザインの現場ではイメージと違ったものが完成するケースは少なくありません。修正や別案でリカバーできるケースもあれば、仕事が成立せずに終わってしまうこともあり、クライアントにとってはリスクといえるでしょう。その課題をビジネスモデルのなかで解消している点が、99designsの優位性なのです。

一方で、デザイナーにとっても大きなメリットがあります。コンペ形式ということで、自分の実力にふさわしい仕事を意欲的にとりにいけます。トラブルに発展することもある集金、支払い業務を99designsが代行してくれること(世界192ヶ国で支払い実績があるといいます)もメリットといえるでしょう。
また、他人と競い合い、自分と異なるアプローチに触れることが学びにつながります。フリーランスはとくに、他人から学ぶ機会がなかなか得られません。インプットが足りず、アイデアが枯渇してしまうケースも考えれば、大きなメリットといえそうです。これらのメリットに加え、ワークライフバランスを追求できる点も。
広告代理店を退職したある女性は、小さな田舎町に引っ越してからも、家族との時間を大切にしながらデザインを続けているといいます。一般的にハードワークとされるデザイナーの働き方に新たな選択肢を加えているのです。

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【写真: 99designsのデザインコンペで集まったトートバッグデザインの候補

次にPatrick氏は、99designsの成功のステップに触れました。
ひとつは、資金調達について。
最初から資金を調達することは難しく、それは日本のスタートアップにもいえることとし、ある程度の規模までは自力で成長することを考えたほうがいいと伝えました。
その方法として、コミュニティをつくること。
インフルエンサーと早い段階でエンゲージメントすることが大切と語りました。
また、限られた資金の中で、マーケティングよりPRに投資をしたとのべ、理由として、新しいマーケットをつくるときにはPRが肝心であること、そもそも投資として安いことをあげました。
ほかにも、デザイナーの要望(商標登録の問題や作業スペースの確保など)を聞きながら、一緒にビジネスモデルを磨きあげたことなどを話してくれました。

そして、国際展開について。
Patrick氏は、「チャンスは外にある。」と語りました。
しかし、国際展開には準備が必要であり、自社のプロダクトがマーケットにフィットするかを検証すべきだといいます。
そのうえで、まずはシンプルに始めること。
何より重要なことは、ローカルから学び、共に成長する体制を整えること。それが、国際展開のファーストステップと述べました。
また、視点の異なるアドバイスとして、クライアントがついている企業を買い取ることも、いちはやくマーケットに参入する手段として有効といいます。注目が集まることで、PR効果も期待できるからです。

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【写真:国際展開するうえで、ローカルチームとのコミュニケーションが大切と語るPatrick氏。実際に使っているコミュニケーションツールの紹介など、実践的なお話から多くの気づきを得ることができました。】

日本というマーケットについては、
「非常に魅力的であり、リクルートとのパートナーシップによって早いスピードで展開できている。」と語るPatrick氏。これほど早く成果が見えたのは初めてであり、これまでにない手法でのアプローチも実現しているそうです。

また、これからは個人の時代。
フリーランスが、もっと力を身につけるだろうと予見し、いろいろなフリーランスのマーケットプレイスがあり、業種別のモデルが登場すると語り、自身も最高の仕事の仕方を提供したいと語りました。

そして最後に、働き方が変わってきているが、誰もが勝てる時代。
日本だけでなく、世界をフィールドに、ぜひチャンスをとらえてください、と会場にエールを贈りました。

 

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【Patrick氏と、99designsへの出資後、日本展開の支援を行う株式会社リクルートホールディングス R&D本部 事業開発室 室長(※2016年3月現在)の瀬名波文野氏】

リクルートは、99designsとのパートナーシップを通じて「デザイナーが時間と場所を選ばずに、世界中のクライアントの仕事を受けることができる世界」の創造へのチャレンンジを支援します。今後の展開に、ご期待ください。

※株式会社リクルートホールディングスの子会社である、株式会社リクルートストラテジックパートナーズの運営する合同会社RSPファンド6号を通じて出資
世界中のデザイナーと企業をつなぐ、クラウドソーシング型マーケットプレイス99designs, Inc.への出資を実施