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これぞオープンイノベーション!
ARにVR、今年も進化し続ける日本最大級の開発コンテスト
Mashup Awards11決勝戦全12チームレポート

2015/12/08

2015年11月18日(水)、「TechCrunch Tokyo 2015」の会場にて「Mashup Awards」ファイナルステージが開催されました。
2006年にスタートした本コンテストは、Webやインターネットの未来を牽引するアイデアや技術を競う場。
Web開発者がWeb APIやハードウェア、センサーなどの技術をMash up(混ぜ合わせ)した作品を競い合い、さらに、その場にいあわせた企業や個人もMash upしてしまおうというコンテストです。
8回目となる今回は、8月20日〜10月19日という61日間の応募期間中に431作品の応募があり、最終的に12作品がファイナルステージに進出。賞金200万円を前に、アイデアとこだわりのバトルを繰り広げました。

Mashup Awardsの審査基準は、
・アイデア(独自性、新規性、優れた着眼点、発展可能性)
・完成度(実用性、ユーザビリティ、エンタテインメント性)
・デザイン(芸術性、優れた表現技法)
の3点です。ビジネスモデルやマネタイズなどは評価の対象には入らないのが特徴。

この3点をもとに、East Ventures パートナー 松山太河氏、BASE株式会社 藤川真一氏、日本マイクロソフト株式会社 砂金信一郎氏、Coiney.Inc 久下玄氏、株式会社レレレ 山本大策氏、株式会社はてな 栗栖義臣氏をお迎えし、Mashup Awards運営委員長である麻生要一氏も交え、審査していただきました。

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【写真左から、松山太河氏(East Ventures パートナー)、砂金 信一郎 氏(日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト)、栗栖義臣氏(株式会社はてな 代表取締役社長)、久下玄氏(Coiney,Inc プロダクトストラテジスト)、山本大策氏(株式会社レレレ 代表取締役)、藤川真一(えふしん)氏(BASE株式会社 取締役CTO )、麻生要一氏(Mashup Awards運営委員長)】

 

一部の審査員は、事前選考ステージにもおつきあいくださっただけあり、講評する側、される側の距離を感じさせない一体感のある雰囲気が印象的でした。
そして、なんといっても作品の秀逸さ。
「あったらいいな」を実現させる執念と技術力に圧倒されるとともに「なぜ、そこにこだわる???」と思わずツッコミを入れたくなるおバカ(良い意味で!)な発想の数々に、賞賛を通り越してお腹を抱えて笑うオーディエンス。
コミットしていないのに、笑いすぎて腹筋が割れそうになる人が続出する事態となりました。
審査員からは「下手な芸人の漫才を見ているより面白い!」というお褒めの言葉までいただき、まさにMash up!な場となりました。

それでは、おバカ、もとい素晴らしい作品の数々をご紹介しましょう!

ビビビコントローラー

街で好みの異性を見かけても、理性が邪魔して声をかけることができないという人も多いはず。
そんなお悩みを解消してくれるのがビビビコントローラー。
心拍センサーを内蔵したviviviSYSTEMが、ときめきを感じて心拍数があがると電気刺激を与えてくれます。思わず「Ah!Ah!Ahhhhhh!」と叫んでしまうほどの刺激。

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その声で振り向いてしまった相手は、さあ大変。目と目で通じ合う、そんな関係のはじまりはじまりなのです。ちなみに着想のきっかけは松田聖子氏の「ビビビッときたんです」なのだとか。
でも、おふたりは最終的にお別れしましたよね? やっぱり出会ってからが肝心ってことですが、そこはコントローラーの範疇外となりますので、あしからず。

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写真:アイドルの写真を前に砂金氏が実証実験のえじきに!「アイドルの写真集に心拍数をあげている姿が流出するとまずいので、拡散は勘弁してください」と砂金氏が訴える一コマも。
残念ながらMashup Awardsは拡散大歓迎のイベントということで、本記事でも公開しちゃいます!

 

poiPet

「ゴミの分別ができない人が増えている世の中を変えたい!」という想いが源泉となった意欲作。
可愛いキャラクターとのインタラクションを楽しむうちに、正しい分別の知識と習慣が身につきます。
ぽいっとすると、キャラクターが今日の天気など、ちょっとした情報をくれるのもほのぼのします。
でも、それだけじゃありません。学生証やパスモといった個人リーダーを識別し、ライフログとしてデータベース化。どんな飲料をどれだけ飲んだか、といったデータの活用も視野に入れているのだとか。
では、肝心の効果はというと、実証実験で分別率の向上が見られたとのこと。
キャラクターの可愛さも、分別のモチベーションアップにつながっていそうです。
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千葉市お祭りデータセンター

地域のお祭りや花火大会って、いつ、どこでやっているかわからない。
もっとわかりやすくすることで、地域を盛りあげようというアイデア。
千葉市内で行われるイベントの情報を集め、写真と詳細情報を展開します。嬉しいのは、天気予報とも連動している点。天候に左右される屋外のイベントに便利。現在は、千葉県が公開するオープンデータを基にしているそうですが、今後は独自の情報を追加し、データベース化していくとのこと。

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なりきり2.0

男の子なら、誰しもヒーローに憧れるもの。
必殺技のポーズを構えたり、「波ッッッ!!!」といった効果音を口にしたり。
でも、大人になると、それだけでは満足できないんですね。というわけで開発されたのが「なりきり2.0」。
人が動き、モノが演じる。人の動きにあわせて反応するモーション装着型デバイスです。
認識技術とWeb APIをMash upすることで、空調やテレビの切り替えという地味〜なことから、ヒーローさながらの格闘ゲームまで展開は自在。とくにVR系デバイスとのMash upに期待が募ります。

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写真:実証実験では、Mashup Awards運営委員長麻生要一氏と対戦。
「波ッッッ!!!」

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本気の蹴りを魅せる、麻生氏。
勝者、麻生氏。「めちゃくちゃ楽しー!!」とご満悦。

会場からは「開発者に花をもたせろ!」「空気、読め!」のブーイングが(笑)。

 

 CliMix

新しい漫画体験を提供する「CliMix」。
コマ割りやセリフの大きさから漫画のクライマックスを自動でわりだし、タイミングをあわせてバックミュージックが流れるという仕組み。
たとえば恋愛漫画。主人公(ミュージシャン)の「会いたい」というセリフに・・・・
はい! 西野カナちゃん、きました!「会いたくて、会いたくて♪」が自動的に流れます。その絶妙さ。
漫画の邪魔をせず、逆にもっと没入できるタイミングと選曲に執念にも似た、こだわりを感じさせます。
アクション漫画とかも、絶対に楽しいはず。
では、「ぼのぼの」は? 山場がない漫画をどうするかが今後の課題・・・でしょうか?
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 peta×peta

インソール型のデバイスとアプリによる頭脳戦鬼ごっこ。
面白いのは、走ったときだけセンサーが反応し、その足取りがアプリに表示され、鬼にも伝わること。
つまり、足が早ければ有利というわけじゃない。ときには歩いて痕跡を消すといった頭脳戦が楽しめます。
公募で参加者を募るといったイベントも可能。国籍や人種を超え、みんなで童心に返って鬼ごっこなんて、素敵ですね。
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参式電子弓

本物のアーチェリーに各種センサー、マイコン、小型PC、モバイルレーザープロジェクター、バッテリーを搭載したARゲームシステム。
360度全方向に映し出される仮想空間を、本物のアーチェリーさながらに射抜くことで居住空間がゲーム空間に変貌します。
手に伝わるリアルな衝撃、弦を引く力が正確に飛距離や速度に投影されるなど没入感はハンパない・・・!
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Gの天秤

人間の価値をはかる天秤。
武力や占いなど、時代によってリーダーに求められるものは違うという気づきがアイデアの源泉。
現代の神ともいえるGoogle先生をベースに、人物評価の尺度になる言葉を検出し、天秤の左右に設置したモニタでランダムに表示させます。
刻々と、無限に移り変わることをコンセプトにしたアート作品。ぼけーっと眺めるのがオススメの鑑賞スタイルです。
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Spectee

リアルタイム配信で報道に変革を起こそうという発明が「Spectee」。
事件が起こると、ネットには一般の人から数々の情報が寄せられます。
しかし、公のメディアから情報が発信されるのは、およそ90分後。それまでは、メディアも一般の人もネットで独自に情報を検索しているのが現状です。
これに対し、24時間のネットパトロールで、特定のエリアで特定の時間に瞬間的にバズッているものに狙いを定め、画像解析やキーワード検索で事件や事故に関する情報を収集し、リアルタイムで配信します。
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寝返りブロックくずし

寝ている時間って、非生産的? いえいえ、この「寝返りブロックくずし」で睡眠がクリエイティブな時間へと変わります。
ゲームと連携したキーボードを敷いて寝るだけで、睡眠中にブロックくずしができてしまう。
そう、睡眠学習ならぬ、睡眠ゲームです。
睡眠中のデータを収集し、ヘルスケア領域などに有効活用できるとか、5回もゲームをクリアした自分にガッツポーズ、1日のモチベーションも高まるとか、ご夫婦の倦怠期にも良いとか。
本当でしょうか?(笑)
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 PINCH

小さな洗濯ピンチのボディにフォトリフレクターをはじめとする各種機能が内蔵されていて、洗濯物を近づけると自動的に開き、はさむ。雨があればカーテンがひらき、自動で洗濯物を丸めながらとりこむ。
スマホと連携し、乾き具合や、万が一の盗難など、洗濯物の安否(?)を遠隔で確認できるといいます。
雨風で割れないように、耐久性のある木材を使用したのもこだわりポイント。賢すぎる、洗濯ピンチ。
審査員からは「ハイテクの使い方が斜め上」とお褒めの言葉が。
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Openness-adjustable_ Headset:開放度を調整可能なヘッドセット

一般的にコミュニケーションは、目や口がものをいいます。
しかし、この作品の登場により、耳という時代がやってくる(かな?)。
見た目はごくごく普通(?)のヘッドセットですが、曲のサビを感知すると耳型の蓋が閉じて遮音性をあげたり、逆に一定以上の歩行スピードを感知すると、安全のため外の音をキャッチできる状態に開いたり、といった機能を装備。
さらに、特定のチャンネルや、聞きたくない言葉、聞きたい言葉といったフィルタリングも可能で、極論、あなたの話を聞きたいか、聞きたくないかを示す心の窓として、コミュニケーションのあり方を変えていくポテンシャルがあるのです。
課題は、クールとは言い難いデザイン。ただいまデザイナー募集中です!

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ピッチが終わったあとは、審査員は別室に移動し、審査を。その間、会場では実際に作品に触れられる機会が用意されました。
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12の作品すべてが披露されたあとは、いよいよ表彰に。結果は、こちら!

ダラララララララララララ、ドーン!
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最優秀賞「算式電子弓」おめでとうございます!
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そのほか、みなさんおめでとうございます!
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最後に運営委員長麻生氏からご挨拶。
今年の傾向を「プロダクトに軸足を置いた作品が目立ったのが印象的だった。」としたうえで、優秀賞に選ばれた参式電子弓については「APIをほとんど使っていない作品でしたが、『これは!』と思ったものにあわせて規定を変えてしまうのもMashupらしさ。」と語りました。
ルール無用、面白ければなんでもあり。それが「Mashup Awards」ということでしょうか。
そして、興奮冷めやらぬ会場を前に「Mashup Awards 12」の開催を宣言。
会場から「うぉーーーーー!」と拍手喝采、テンションあがりまくりの幕引きとなりました。

それではみなさん、次回「Mashup Awards 12」でお会いしましょう!

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