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ソニーとの共催Workshopシリーズ
「半径100mの世界をアップデートせよ!」、
最終のSession #3を2日連続で開催!

2016/09/07

ソニー株式会社と株式会社リクルートホールディングスが共同で開催しているWorkshopシリーズ「半径100mの世界をアップデートせよ!」。

6月9日(木)に、銀座・Media Technology Lab.(以下、MTL)Cafeで行われたSession #2に引き続き、6月24日(金)、25日(土)の2日間、品川・ソニー本社にてSession #3が開催されました。

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今回は、Session #1、#2を経て結成されたソニーとリクルートの社員混成チームが参加。これまでに生まれてきた各チームの新規事業アイデアをDay1とDay2の2日間をかけてブラッシュアップし、最後にピッチコンテストを開催しました。

「Day1」では慶應義塾大学 経済学部の武山政直教授をお招きし、「サービスデザインで事業を創る」というテーマで、大学の講義さながらのご講演をいただきました。

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そもそも、「サービスデザイン」とは、「テクノロジーの世界」、「ビジネスの世界」、「人間の体験の世界(ユーザー体験)」の3つの領域を、俯瞰的につないでいくプロセスとメソッドのことで、事業機会の発見と組み立てという2つのフェーズで実行されるとのこと。

まず、事業を大きく飛躍させることを考える時、まずサービス発想による事業のリフレーミング、つまり、事業機会の捉え直しが必要だと話しました。
自分たちのサービスを企画する際に、「どんな面白いモノや便利なモノを提供するか?」という視点からではなく、「本当にお客様が最終的にやりたいことは何か?」、つまり、お客様のゴールから事業機会を考えてほしいと武山教授は参加者に語りかけます。また、その時に「お客様に価値を与える」姿勢から「お客様と価値を共に創り出す」という姿勢の転換が大切だとも指摘されました。

そのような転換は、スターバックスコーヒーの事業を例にして考えるとわかりやすいとのこと。
スターバックスコーヒーが世の中に登場する以前のコーヒー事業は、「いかに美味しいコーヒーを手ごろな値段で提供するか」という考えが主流でした。しかし、スターバックスコーヒーの誕生によって、「コーヒーをどんな空間で、どんなふうに味わって、どんな時間を過ごしていただくのか」という、お客様の体験にねらいがシフトしていったといいます。
そして、その体験づくりに必要な様々な要素を、コーヒーやお客様自身の役割も含めて総合的に整えていくのが、サービス発想による事業のリフレーミングだということです。

新しい事業機会を戦略的に見つけるためのアプローチのひとつとして、既存の事業が当たり前にしていたお客様のゴールを疑ってみて、「もっと先にいいゴールが設定できるのではないか?」と少し視点を変えてみる。
すると、それに必要なリソース群が見えてきて、そこから新しい事業機会を見つけるヒントが得られるともお話しいただきました。

事業機会を捉えた後は、それを実現させる事業の組み立てを行うことになります。
サービスデザインでは、そのために具体的にどういうリソースの組み合わせが必要なのか、をバラバラに考えて足し算していくのではなく、提供するサービスとお客様の接点(タッチポイント)を中心に、時間的に、そして空間的にアレンジしながら、全体として一貫性のあるユーザー体験として構築し、さらに、そのユーザー体験を支えるために、どういうデリバリーシステムが必要になるかを可視化させて考えます。
サービスのデリバリーというのは、お客様から見えるサービスのフロントステージと、目に見えないバックステージから出来上がっているので、それらの間の整合性をとっていかなければなりませんが、それらを実現させるためにはどういうシステムが必要になるのかを可視化させて考えることが重要であると話しました。

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さらにもうひとつ重要なのが、サービスの事業エコシステムを生み出すこと。

素晴らしいユーザー体験を考え、それを実現させるためのフロントヤードもバックヤードも考えたところで、事業を持続させるために必要な仕組みがなければサービスは世の中に現れないといいます。
そして、事業のエコシステムの検討においても、お客様にとってのゴールを中心に、既存の市場や製品、サービスのカテゴリーを越えて、各ステークホルダーの役割と連携を編成してくことがポイントだと話しました。

つまり、サービスデザインというのは、お客様にとってのアウトカムの視点で新しい事業機会を見つけ出して、それをユーザー体験とデリバリーの仕組みとして具体化させ、その事業のエコシステムを構築する活動なのですが、それらの一連の検討において常にアイデアの「見える化」を行い、多様なステークホルダーと価値を一緒に作り出していく点に特徴がある、と武山教授はまとめられました。

レクチャーの後は、実際にサービスデザインのための方法論やツールを武山教授に教わりながらのワークショップでアイデアをブラッシュアップ。

今回は2つのワークを通じてブラッシュアップを行いました。

1つ目は、ユーザー体験の魅力をあげるためのワーク、もう1つは各ステークホルダーが何のメリットを感じて、どんな協力をしてくれるのかを検討するワークです。

まずは、ユーザー体験の魅力のブラッシュアップから。

進め方の1つとして、「エクスペリエンスマップ」という、顧客の体験の流れを検証する方法を教わりました。まずはお客様の立場になって、プロダクトやサービスが使われる理想的な物語を描いてみる方法です。

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また、物語は模造紙などにその流れを描くだけではなく、紙芝居(ストーリーボード)にしたり、チームメンバーで演技をしてみるのもありだとのこと。
実際に使われ方を身体で表現しながら、さらにはプロダクトが存在する場合にはそれ自体も人間が役割として演技する手法も面白いと紹介されました。演技をすることで、それらがどんなシチュエーションで使われるか、そこに無理がないかなどが見えてくるといいます。また施設内などで検討する際には、レゴブロックを使い、デスク上でサービスを再現しながら検討していく手法も有効だと紹介していただきました。

次は、今考えているアイデアを「事業」という視点で検討するために、そのビジネスのエコシステムをイメージしていきます。

今回は日立製作所で考案されたサービスデザインの発想支援ツールである「Business Origami」をご紹介いただきました。

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ワークショップ後半戦では、このBusiness Origamiを用いて事業を検討していきました。

サービスに関わるすべてのプレイヤーをそのビジュアルが描かれた折り紙で表現、それぞれの関係性を矢印等でつなぎ、各プレイヤーの役割を明確にしていきます。ここでは物やお金、情報などサービスの流れを把握できるようになることが大事だと話しました。

1日目は、ここで終了。武山教授のご講演を交えてのワークショップの時間は新しい体験の連続で、参加者達には時間の経過もとても短く感じられたようです。

「Day2」は、前日に引き続き、朝から活気溢れるイベントとなりました。

15時開始の今回のメインイベントともいうべきピッチコンテストに向けて、さらなるブラッシュアップのためのワークショップの時間です。

まずは、お互いのチームアイデアへのフィードバックを目的に、席を交換しながらのディスカッションを実施。その後、各チームはアイデアのブラッシュアップのほかに、ピッチコンテストで行うプレゼンテーション用の資料やちょっとしたプロトタイプ作りまでを視野に入れ、作業を開始しました。

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15時からのプレゼンは、投影用の資料が必須の他は、フォーマットは自由。
会場には紙やペンの他、粘土やレゴ、また先日のSession#2で紹介されたMESHも用意されていました。それらの材料を使い、より具体的にプロダクトやサービスの内容を伝えることができないかと検討しながらプレゼンの準備を進め、中にはプレゼンの演出にまでこだわるチームもいました。

15時、いよいよピッチコンテストの開始です。

ピッチコンテストには、ソニーから新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」(以下、SAP)で新規事業プロジェクトの加速支援を担当している宮崎氏が、リクルートからはRECRUIT VENTURESの代表として麻生要一がそれぞれ審査員として参加。

全16チームが5分間のピッチを行いました。ピッチコンテストは、寸劇あり、紙芝居あり、中にはプロダクトのプロトタイプを作ってきたチームまで登場。非常にバラエティーに富んだコンテストとなりました。

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審査の基準は、「新しい価値を提供しうる斬新なアイデアか?」、「ソニーとリクルートの共創だからこそできる、他には真似できない競争優位性があるか?」、「より良いユーザー体験ができるサービスデザインの構築ができたか?」といった点や、マネタイズの可能性やアイデアの実現性が問われます。

今回のピッチコンテストでは、各チームのアイデアの中から優秀な企画に対して、それぞれソニーから「SAP賞」、リクルートからは「VENTURES賞」が贈られる予定でしたが、急遽「特別賞」も設けられ、受賞チームが表彰を受けました。

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2日間という長丁場で行われたSession #3の最後は、ソニー本社1Fにある共創スペースのCreative Loungeにて懇親会。

懇親会はチームを越えた交流や事務局と参加者の話も弾み、2日間の疲労と共に分かち合った達成感と感動が溢れた会となりました。
また、Creative LoungeにはMESHや、3Dプリンター、レーザーカッター、Make系のレアな書籍など、ものづくりが好きな人には興味津々のツールが数多く揃っており、早速MESHの機能を試す人たちも。ソニーとリクルートの共同開催イベントだからこその雰囲気で終始クリエイティブなものづくりトークがあちこちで花咲き、全3回に及ぶワークショップシリーズは終了となりました。

これまでのワークショップで磨き上げてきたチームの新規事業アイデアは、いよいよSAPオーディション、RECRUIT VENTURESという各社の新規事業オーディションへのエントリーへと進み、採択されればその後、プロトタイピングやニーズ検証を繰り返しながら事業化を目指します。
はたして今回のワークショップ参加チームの中から、IoTで半径100mの世界をアップデートする事業は誕生するのか!? ソニーのSAP、リクルートのRECRUIT VENTURESの動向からしばらく目が離せません!

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