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NewsPicks×MTL 新規事業 ピッチイベント開催!

2015/11/11

11月2日(月)、Media Technology Lab.(MTL) が運営するTECH LAB PAAKにて、NewsPicksとMTLがコラボレーションした「新規事業ピッチ(プレゼンテーション)イベント」が開催されました。

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(イベントのプロデュースから司会進行まで担当したリクルートホールディングス古川央士氏)

NewsPicksは「もっと自由な経済紙を。」をスローガンに、経済情報に特化したニュースを共有するサービス。読者がピッカーと呼ばれる各業界の専門家や友人をフォローすると、彼らがオススメ(Pick)する記事で構成されたオリジナルの紙面が配信されます。

本イベントはNewsPicksの胸を借りるかたちで、審査員に編集長である佐々木紀彦氏、プロピッカーの占部伸一郎氏、山崎大祐氏をお迎えしたほか、オーディエンスに一般のピッカーを招待。株式会社リクルートホールディングスR&D本部が運営する新規事業提案制度「Recruit Ventures by New RING」を通過し、現在MTLで育成フェーズにある6つの事業のオーナーが、ビジネスモデルの説明から今後の展開まで、渾身のピッチを行いました。

ピッチに対しピッカーから手加減なしの講評が浴びせられたのち、優秀賞が選出される仕立てとあって、オーナー陣は緊張の面持ちではありましたが、大人しく攻められているばかりではありませんでした。審査員の鋭い指摘を「待っていました!」とばかりに返り討ちにするシーンや、「なるほど!」と会場をうならせるシーン、想定外な質問を、事業を磨くヒントにいただいてしまうといったシーンが繰り広げられ、今後の展開を期待させる白熱のステージとなりました。

■審査員

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写真左より
佐々木 紀彦氏(NewsPicks編集長)
占部 伸一郎氏(プロピッカー / コーポレートディレクション パートナー)
山崎 大祐氏(プロピッカー /マザーハウス 取締役副社長)
麻生 要一(リクルートホールディングス Media Technology Lab. 室長)

ピッチに先立ち、MTLの室長であり、本イベントの発案者でもある麻生氏からの挨拶が。

「今回の会場ともなった、オープンイノベーションスペースTECH LAB PAAKを運営し、社外の起業家やスタートアップの皆さんの支援にも注力しているリクルートホールディングスですが、これまで自社の事業を社外の方に披露したことがありませんでした。

ぜひ、辛辣なコメントをください。その上で、気になる事業があれば応援してもらったり、一緒に事業を展開したり、といったコラボレーションが生まれたらと思っています。よろしくお願いします」

と呼びかけました。
会場の期待が高まるなか、いよいよピッチがスタート。6つの事業の概要と審査員からの講評をまとめてご紹介します。

エムキャス

日本初、スマホでテレビが観られる「エムキャス」。当初はスマホでアニメを放映するという起案だったが、MXテレビとのコラボレーションを通じスマホでテレビが観られるサービスにピボット。Chromecastにも対応し、テレビの大画面で楽しむこともできる。リリース初日のAppStore/無料で2位、オーガニックのみで50万DL超。現在、総視聴時間はリリース当初と比べ最大11倍を記録。NETFLIK、TVerが市場にもたらすパラダイムシフトも見越したうえで、全国統一に向け、地方局とも連携した取り組みが進行中。
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占部氏「アイデアそのものはシンプル。他社で実現しなかった理由は?」
苅谷氏「テレビ局にとっては、既存事業を毀損するサービスである」「技術がまったく異なる通信と放送を融合させている。それができるのはリクルートホールディングスのほかに1社くらいしかない」

山崎氏「地方のテレビ局が保有する制作機能をどうマネタイズするか」「権利をもらって、コンテンツを売ることも可能か」
苅谷氏「制作機能のマネタイズまではいってないが、Twitterと連動して得るユーザーの反応をコンテンツ制作に活かす流れはできている」

佐々木氏「オリジナルコンテンツをつくる予定は」「広告単価を考えたとき、現状の広告で収益を得るビジネスモデルがベストなのか」「次に組むテレビ局は?(笑)」
苅谷氏「オリジナルコンテンツは考えていない。あくまでも“箱”。たとえば地方の面白いプロデューサーを発掘するといった、“箱”としての価値を磨いていきたい」「日本と類似性があるイギリスの先進事例をもとに検証した結果、広告モデルが最適なかたちと判断している」「次に組むところは秘密です(笑)」

 

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ショップが抱える課題「話しかけられたくないと思っている買い物客と、話しかけづらいと感じている店員との関係」を改善。「一度で終わらない、接客を。」支援するアプリ。店員が買い物客にIDを伝えてアプリに招待。自社ブランドの最新情報やスタイリングの提案、店員のライフスタイル情報をベースにコミュニケーションすることで継続的な関係を構築することができる。また、コミュニケーションデータを接客コンサルティングや人材領域(スタッフの採用・教育・評価)に展開することで、アパレル業界の活性化に貢献する。
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占部氏「ECとの連動はありえるか」
小林氏「構想は、ECに対するユーザーの満足度を高めたいという思いから。商品が見えない状況でも、信頼できる店員のリコメンドがあれば満足度の向上につながると考えているので将来的には」

山崎氏「話しかけられたくないと思っている買い物客にIDをどう伝えるのか」「百貨店より、新世代の若者を対象にしているブランドのほうが、親和性が高いのでは」
小林氏「まずは、顧客との間に信頼関係を築いているブランドと組むことでアプリの認知度を高め、需要される世界観につなげたい」「大手のファッションブランドは、業界の人材不足を解消する施策として共鳴してくれている。早期の段階では大手と組み、もっと良い世界をつくる」

佐々木氏「doodというネーミングにした理由は」
小林氏「若い人が親しい人に呼びかけるときに使う『HEY DUDE』から。お洒落な人という意味も。商標登録がとれなかったためスラングのスペルにしたことで、若い人との親和性が増したと感じている」

 

KOLA

次世代エンタメプラットフォームサービス。ネットに溢れるあらゆるエンタメコンテンツから、ユーザーがフォローしたアーティストに関するニュースや動画をキュレーションし、毎日届けてくれる。現在、11万組の音楽アーティスト、俳優・女優、モデル、スポーツ選手、映画監督などに関連するエンタメコンテンツがストックされており、膨大なDBをもとにしたコンテンツストリームが実現している。リコメンドやチケット予約などのプッシュ通知機能も。利用するほどに精度が高まっていく。2020年、エンタメコンテンツを配信するディストリビューションプラットフォームとして、業界全体を活性化させるエンジンとなることを目指す。
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占部氏「公式との関わり方はどうしていく」「旧態然とした流通は、うち壊すというスタンスなのか」
白石氏「社内から、まず大手のコンテンツフォルダーと連携すべきという意見があったが、それでは面白いサービスは生まれないとの判断から断固拒否した。面白いサービスをつくれば、逆にアプローチがあるはず。公式もその流れで組むことができる。実際、その通りになった」

山崎氏「今後、どんなコンテンツでマネタイズしていくのか。ライブやフェスなどがキーになるのでは?面白い組み合わせなど、ニューコンテンツをつくる力がすごいのでは」
白石氏「ライブやフェスはキー。リアルと連動しマネタイズするのはセオリーだし、とくに音楽業界では必要。でも、まだそのフェーズにない。足元を固め、いずれイノベーションを起こしたい」

佐々木氏「会員登録数は」「プレミアムメンバーシップは始めたか。その単価は?(笑)」「リクルートホールディングスでやらなくてもいいのでは(会場爆笑)」
白石氏「プレミアムメンバーシップはこれから、NewsPicksさんほど単価を高くしない(笑)。NewsPicksはコンテンツを作っているからこその適正単価。KOLAは機能面でのプレミアム価値を前提に低価格になる予定」「各方面から『いくら積んだらウチでやってくれる』という話があった(笑)。でも中途で入社してすぐに、このプロジェクトをやらせてくれたリクルートホールディングスに恩返しを(会場拍手)」

 

調整さん

飲み会・歓送迎会・旅行・同窓会・旅行・女子会といったイベントを実施する際に必要な「参加者の日程調整」がスムーズにできる国内最大級のイベント開催支援ツール。2006年にリリースされて10年、新たな価値の創造に向けて事業化。平日の集客に課題を抱える飲食店へのソリューション提供など、利用者のデータと、あらゆるイベントの「入り口」というアドバンテージを活かした展開を模索している。
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佐々木氏「リリースから10年目を迎えているなか、改善の可能性をどこに感じたか」「ホットペッパーと提携していくのか」「取得しているユーザーのデータとは。個人をモニタリングできるのか。取得データを充実させることがキモでは」
山本氏「イベントの『入り口』をおさせている点に、改善の可能性を感じた」「ホットペッパーとの提携は視野に入れていたが、より魅力的なパートナーとの関係も模索している」「いまは日程と名前、個人の追跡はできない。これから検証していく」

山崎氏「飲食以外、マッサージや美容サロンにも可能性があるのでは。美容師から空いている日程を告知するなどの機能はありえないだろうか。法人から収益を得るモデルは」
山本氏「いまは飲食店を中心に考えている。法人からの収益モデルは検討中で、いくつかアプローチももらっている」

占部氏「イメージがつきづらかった。調整機能を持つサイトはほかにもあり、いち機能で終わってしまうのでは意味がない。たとえば『大人数での利用』という切り口や、『幹事がイベント企画をプレゼンし、店側がオプションつきのサービスで入札する仕組み』などの工夫が必要では」
山本氏「構想中でまだ言えない部分がありますが、『平日』と『大人数』という切り口で他社にない価値を検証しています」

 

レシポ!

特定の商品を特定の店舗で、特定の数「買わせる」ことができるサービス。商品棚の確保や共売、まとめ買いなど、マス広告での戦略を店頭に落とし込みながら、実売数も担保する。仕組みとしては、クライアントが売りたい商品をサイトで告知、ユーザーは実際に買ったレシートの画像をアップロードするとポイントが付与される。レシートアップロード数は40億を突破。とくにチラシが効かないと言われている20代から40代の女性に支持されている。膨大なレシートデータをもとに流通横断のデータが地域ごと、IPに紐づく形で蓄積されている点に今後の展開が期待される。
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山崎氏「売り場を確保するという効果はすごくあると感じる。しかし、レシートデータをどうビッグデータ化するのか。完璧にできるものなのか。アナログに頼らず、現金出納帳との連動など、ユーザー側がアップロードするユーザビリティを追求すべきでは」
田村氏「画像解析システムの精度が低いため、クラウドでスタッフを集め人力でやっている。レシートのアップロードを習慣化できるような仕掛けを模索しているところ」

占部氏「食品メーカーは消費者と遠く、流通がブラックボックス化している。そこを可視化できるのが面白い」「たとえば、年間契約でメーカーが進める商品が届けられるなど、本当のファンをつくる場にできたら面白いのでは」

佐々木氏「レシピ投稿サイトが手がける買い物事業は競合か」「スーパー、コンビニ以外の店舗でも可能か」
田村氏「流通からお金をもらわないという点で、位置づけが少し違う。特定のオーダーに確実な結果で返し、データマーケティングするという点においても競合ではない」「可能。ホームセンターなど、店頭であれば展開できる。クライアントの特性ごとにメディアを増やしていく」

 

Preno

RUMIKO氏を筆頭に、有名ヘアーメイクアーティストが監修。ヘアー&メイクアップのハウツー動画を提供する“Premium How-to Movie”サイト。20代から30代の女性をターゲットにスマートフォンファーストで設計。ひとつのコンテンツは2分前後。プロフェッショナルチームが制作したクオリティの高い動画を手軽に見ることがでる。美容ライターやモデルを中心に拡散され、100万プレビューに迫る。国内外のラグジュアリーコスメブランドからのも多数持ち上がっている。また、グローバル展開の第一弾として台湾での展開を予定している。
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佐々木氏「メディアにも登場しないRUMIKOさんをどうやってくどいたのか」「これだけクオリティの高い動画をどうやってつくったのか」「なぜアプリではないのか」
肥沼氏「自らアプローチ。コンセプトに共感してくれて監修が実現。ご本人が登場したインタビュー映像も」「超一流のスタッフを起用。美容系動画の一人者や、美容ライターさん、モデルさんを前職の人脈をもとに起用」「キュレーションメデイアからの拡散を考えてサイトにした。良いものをつくれば拡散される、逆の発想をした」

山崎氏「すごくシンプルなのに、可能性がある。いまの女性が本当に求めるもの。ほかの事業への展開がある。料理、カメラ、最高のクオリティで2分の動画をつくるというコンテンツマネジメント力に可能性を感じる。好きなんですか?個人の思いが感じられる」
肥沼氏「好きです。僕ひとりではなく、チームでつくりあげたもの」

占部氏「絶賛ばかりなので、あえて。素晴らしいと感じる一方で、強みが蓄積されていく要素がない。別の人が、これに代わるものを作る可能性もあるのでは」「超一流だけでなく、センスのいい一般の人を起用するという世界観もあると思う。そこは切り離すのか、ブリッジするのか」
肥沼氏「僕自身が前職で美容動画をつくっていて、人脈もある。コスト含め、このクオリティを実現できる人はほかにいない。このサイトのいちばんの強みは僕自身」「動画を見て妄想するという要素もある。そこを踏まえ、超一流だけで構成するサイトにする。ラグジュアリーコスメブランドと連携をはかるうえでもマスト条件。現状でも、日本に憧れのある各国への展開などで十分にスケールする余地があると考えている」

ピッチの後は、審査員が別室に移って1位、2位を選出。
その間に、会場のオーディエンスも、会場賞の選出を行いました。結果はこちら。

■審査結果

第1位 Preno
第2位 レシポ!
会場賞 KOLA

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審査員からの総評

佐々木氏「今日は楽しい会をありがとうございました。参考になることがいっぱいありました。ひとつ意外だったのは、中途で入社された方が多かったこと。他社で満たされなかったイノベーターがアイデアを引っさげ、実際にプロダクトをつくっているのが素晴らしい。イノベーションを牽引する場になっているのではないか、て言い過ぎですか?(笑)」

山崎氏「僕らの質問を想定していたような応対が多かったことが印象的。本当によく考えている。それと、これからは人が参入障壁となる時代だと感じるのに対し、本当に好きだという気持ちを感じた。Prenoのような、テクノロジーとビューティーを掛け合わせられる人はいないと思う。そして1位と2位が真逆。いまの時代を象徴している」

占部氏「素晴らしい場だった。個人的にはアパレルが好きなのでdoodを応援したいが、1位、2位の選出理由として、どちらもビックプロジェクトになりうる可能性があげられる。飲料メーカー、コスメブランドなどをきちんと巻き込んでいくぞという姿勢が伝わってきた点が大きい。リクルートホールディングスの事業という位置づけで考えるうえで大切だと思う」

麻生「社内では聞けないような辛辣な意見をいただけた。リクルートホールディングスの事業開発をオープンにしたいと思う中、審査員だけでなくオーディエンスのみなさんからもビシビシと意見をいただきたかったが、それはオンラインに場を映して。オーナーがテンションをあげたり、さげたりするような辛辣な意見をください。これからも、応援をよろしくお願いします。一緒になにかを、というお声がけも歓迎です」

優秀賞に選出されたオーナーからの挨拶

2位 レシポ!オーナー 田村 恵彦氏

「外部の方の意見をいただく機会はなかなかない。本当に貴重な経験でした。ありがとうございました!」

1位 Prenoオーナー 肥沼 芳明氏

「今日もBBクリームをつけているくらい美容が好きです。その気持ちがプロダクトに表れているとのご指摘、嬉しいです。美容のトレンドをみるならPrenoと言ってもらえるサイトにしたい。ありがとうございました」

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そして、喜び冷めやらぬ肥沼氏の「乾杯!」を合図に交流会がスタート。
新たなコラボレーションを予感させる盛り上がりのまま幕を閉じました。NewsPicksならびにオーディエンスのみなさま、刺激的な場をありがとうございました!