News

多様な社会起業家が集合した、アクセラレーションプログラム開催! -Unreasonable Lab Japan Challenge Dayレポート

2016/12/07

2016年11月6日(日)、六本木クロスポイントにてUnreasonable Lab Japanが主催するUnreasonable Challenge Dayが開催されました。

url16_01

Unreasonable Lab Japanは、米国コロラドで生まれた社会起業支援プログラムを提供しているUnreasonable Instituteから生まれたアクセラレーションプログラムを日本向けに提供しています。

Media Technology Lab.(以下、MTL)は、彼らの理念に共感し協賛、スポンサーとして会場提供等のサポートをしました。

このUnreasonable Challenge Dayは、インプット、フィールドワーク、アウトプット、メンタリングなどの5日間のプログラムを終えた参加チームのためのいわば“デモデー”。
参加チームのピッチの他にも様々な形で社会課題に取り組むゲストが登壇し、場に華を添えました。

会場には増席をするほど多くの方が集まり、期待度が高まる中いよいよスタート。

冒頭、Unreasonable lab JapanのグローバルディレクターであるSamuel Goodman氏より、オープニングの挨拶がありました。

url16_02

「Unreasonable Labへようこそ。

現在日本は、かつてない危機に直面し、それにともなって発生している多くの課題に対してのイノベーションはボトムアップで出てくるべきだと考えています。
イノベーションをもっと効果的に起こしていくために、Unreasonable Lab Japanがあります。わたしたちは社会起業家に対し、様々な角度から学びの機会を与えてきました。彼ら参加チームのプレゼンテーションをお楽しみいただければと思います。

最後に、私は日本にはとても大きいポテンシャルがあると信じています。今日は、みなさんに、社会起業家のエコシステムの一員となっていただき、それぞれの立場から社会起業家達をサポートしてもらえれば、それ以上のことはありません。
では、どうか最後までお楽しみください。」

参加チームによるプレゼンテーションのほか、様々な社会起業家が登壇し、それぞれの立場から社会起業について、熱弁をふるいました。

この日のメインイベントである参加チームによるプレゼンテーションに先立ち、Unreasonable Lab Japanジャパンディレクターの竹村詠美氏より、ご挨拶がありました。

url16_03

「私自身、IT関連で起業をし、数多くの失敗も経験してきました。しかし、それよりももっと複雑な課題の解決に取り組んでいるのが社会起業家たちです。そんな彼らに対して、少しでも早く前に進めるようにサポートできないかと考えていたころに出会ったのがUnreasonable Labでした。昨年同様、インタラクティブなビジネスモデルバリデーションワークショップを開催し、今日の日を迎えました。参加チームの多くは、アーリーステージの起業家ですので、みなさんのお知恵・お力が必要です。たくさんのチームとぜひ交流していただき、アドバイスやお助けをいただきたいと思っています。そして、どうかそういった視点でご覧ください。」

 

「Co-Creation Center」url16_04

シングルマザー向けのシェアハウスを開設。ソーシャルマザーという名の、親・子両方のメンターがシェアハウスに常駐、常識にとらわれない新しい家族の形成を目指す。

 

「Combinat」url16_05

伝統工芸の衰退に歯止めをかけるべく、企業に売り込んでいく。フリーペーパー等での認知拡大、新しいマーケットの開拓を目指す。

 

「Connect Think」url16_06

適切な情報が足りていないために、倒産してしまう中小企業と、資金不足にあえぐNPOをマッチングすることで、双方の課題を解決する。まずは、マーケットリサーチでマッチングをすることから始める。

 

「フリー外科」url16_07

フリーランスの医者と手術室、そして患者をマッチングすることで、上質な医療の提供をする。病院を選ぶのではなく、医者を選ぶことで、医者に対する信頼度が増し、安心して医療を受けられるようになる。

 

「ホトカミ」url16_08

神社お寺版の食べログ。神社お寺の情報をWebに掲載することで、より意味のある参拝をしてもらうことを目指す。既に14万件の神社お寺のデータベースは構築済。将来的には、座禅などの体験を紹介予定。

 

「Notation」url16_09

各自治体が持つデータをわかりやすく伝える。それぞれのフォーマットで公開されている財務状況や、社会インフラ等のデータベースを構築し、地域の公平性、持続可能性を担保、それぞれが欲するデータを使いこなせる社会をつくることを目指す。

 

「Smile Quants」url16_10

表情から精神状態を読み取る仕組みを作る。既にプロトタイプ作成済で、手遅れになる前に、精神疾患予備軍の顕在化する。まずは、ストレスがたまりやすく、PCの前に座っている時間の長いコールセンターでの導入を検討中。

 

「SPARK」url16_11

中高生に向けて議論する場を提供する。世間的にタブーとされている、政治や国際問題について、若いうちから自分の意見を持ち、議論できる世の中を目指す。ディベートのワークショップ開催、メディアでの発信からスタートする予定。

 

「WORKIN’ COACHIN’(現サービス名:KNOWBE)」url16_12

障がいのある方が通う就業支援施設にイーラーニングプラットフォームを提供することで、生きがいややりがいにつながる学びを提供し、最終的には賃金向上を目指したプロジェクト。プロトタイプで検証し、本格的なプロダクト開発に着手している。

 

「Your Action on Earth」url16_13

家庭や中小企業におけるエネルギーの効率化を目指す。環境保護に興味のある学生に教育をし、家庭に派遣、エネルギーの効率化ができる機器を設置する。それによって削減できる光熱費の一部をいただくビジネスモデル。

 

全てのチームのピッチの後、厳格な審査が行われ、いよいよC4 SDG Awardの発表へ。

審査員は以下の4名が務めました。

Chip Heath 氏(Stanford Graduate School of Business 教授)
Allison Baum氏( Fresco Capital マネージング・ディレクター)
福田強史氏(FitBit Japan 代表執行役社長)
斎藤ラッセル氏 (IMPACT Japan ディレクター)

4名を代表してChip Hearth氏が審査結果と選考基準を発表しました。

url16_14

1.大きなビジョンがあること。
2.痛切なニーズがあること。
シリコンバレーではビタミンではなくアスピリンが必要だと話しています。アスピリンは一瞬にして、あなたの課題を解決してくれるもの、という意味です。

3.実現可能かどうか。
1回でうまくいくことは多くないけど、何回もチャレンジすることが大事、と話しました。

 

3位「ホトカミ」

url16_15

「文化を守るというのは大きなビジョンです。既にかなりの量の研鑽をつまれていますし、14万件ものデータベースは競合にとっての参入障壁となるはずです。また、東京オリンピックの前というのも非常によいタイミングだったと思います。それに加え、メンタリングの時に感じたパッションの強さを評価しました。」

 

2位「Your Action On Earth」

url16_16

「“地球を守る”より大きなビジョンはありません。環境保護はいつもビタミン的な働きが多いのですが、彼らのクレバーな点は、コストを抑えることを実現したこと。例えば、ビタミンが無料になって、いつでも摂れるようになったら、使う機会が増えそうですよね。

また、学生が家庭に訪問して提案するだけではなく、光熱費削減の方法まで実施してしまうのには感心しました。ぜひフィジビリティを進めてください。」

 

1位「Co-Creation Center」

url16_17

多くの社会で女性は公平に扱われていません。シングルマザーが、ポジティブに生活できるようにする、というのは非常に大きなビジョンで、アスピリンだと思います。シングルマザーがコミュニティで暮らすことは、この問題解決に対する大きな布石となるはずです。シェアハウスでのボランティア経験をもとに、次のステップへ進んでほしいです。」

優勝を受賞した、Co-Creation Centerからは、以下のコメントが語られました。

「受賞できると思っていなかったので、驚いています。
わたしは学習塾と幼稚園に子供哲学を教えて、3年が経ちました。子供のうちからお金がないから幸せではない、と感じてほしくありません。どんな状況でも自分はここから脱出できるということを教え、小さいころから選択肢を与えてあげることが大事だと思っていますし、子供哲学を教える中で、そういった場面を多く見てきました。こんな賞をいただいたので、あきらめず、一歩ずつ進めていきたいと思います。」

最後に、結果発表をしてくださった、Chip Heath氏より、この日の講評として

「大学の教授としては、社会起業というテーマに関して、これだけ多くの人が集まっていることに驚き、また感銘を受けています。
3チームを表彰しましたが、他にもクリティカルな課題に取り組んでいる方は、檀上にも、また会場にもいらっしゃると思います。社会起業の良いところは、大きな問題が起こるのを待たなくてよいということです。誰かがやるのを待つ、政府がやるのを待つのではなく、自分たちから始めることができます。Unreasonable Lab Japanに参加したチームは既に第一歩を踏み出していますし、今日会場にお越しの方々も次のアクションを起こしてくれるはずと信じています。」とコメントをいただきました。

この後は、ネットワーキングの時間とし、時間が許す限り参加者と来場者が親交を深めました。

最後に、新規事業開発プログラムであるRECRUIT VENTURESから事業化を目指し、MTLから参加したWORKIN’ CORCHIN’(現サービス名:KNOWBE)から、この5日間の感想を語ってもらいました。

「5日間学びの連続でした。とくにメンターデーで、様々なバックグラウンドを持ったメンターにメンタリングをしてもらったことで、本当に多くの学びを得ることができました。例えば、「本当に彼らはそれを求めるの? 彼らにとってのハッピーって何なの?」と聞かれ、今まで当たり前だと思っていたことがそうではないのかも、と改めて検証する必要を感じました。
あとは、「(関連する業界団体の)協議会に行け!」なんてことも、広告業界にいた人じゃないと出てこない発想だとも思いました。
やっぱり、賞を取れなかったのは悔しいです。
もし自分たちがリクルートの外で協力者を求める時は、社会にどんなインパクトを与えるのかを、もっとコンパクトに伝える必要があるのだな、と結果発表を見ながら思いました。そこが自分たちにも足りていなかったと反省もしています。自分たちがやろうとしていること自体が複雑ですが、いづれ突破していきたいですね。」

こうして、2016年のUnreasonable Lab Japanが幕を閉じました。

昨年は東京のみでの開催だった事前の説明会も、今年は全国7都市で開催し、60チームの応募があったそう。昨年も多種多様な社会起業家が参加していましたが、今年もまた、新たな社会課題解決に取り組む参加者が集まったUnreasonable Labとなりました。

参加チームはもちろん、来場者も改めて社会課題解決のためのエコシステムの一員として、明日からの一歩を踏み出し、1つでも多くの社会課題が、1日でも早く解決に向かうことを願ってやみません。
きっと、来年もまたUnreasonable LabにUnreasonableな社会課題を解決する参加者が多く集まることでしょう。
その日まで、そっと彼らの成長を見守ってくださいね。
Unreasonable Labや、Unreasonable Lab参加チームについては、Unreasonable Lab JapanのFacebookで。

url16_18