News

データから改善するユーザーエクスペリエンス UX Sketch vol.10

2016/03/30

3月18日金曜日、渋谷TECH LAB PAAKにて、UX Sketch vol.10が開催されました。

 

<当日のスケジュール>
19:2519:50 森 裕子(株式会社マネーフォワード – PFM本部 プロダクトオーナー)
19:5020:15 唐橋 健二(株式会社Loco Partners – デザイナー)
20:1522:00 交流会

DSC07554

今回のテーマは「データから改善するユーザーエクスペリエンス」。

今回も2015年ベストアプリの制作チームよりデザインデザイナー・プロダクトオーナーをお招きし、ユーザーエクスペリエンスの改善のために、どのようなデータを、どのように活用しているのか、現場の最前線で活躍する方々にお話しいただきました。

 

おひとり目の登壇者は森 裕子氏(株式会社マネーフォワード – PFM本部 プロダクトオーナー)

ux10_1

森氏は、楽天にてマーケティングや、サービスディレクションを担当され、サービスの面白さに触れながらも、サービスの成長につれ、自分が見れる範囲が限られてきたことを機に、マネーフォワードにジョイン。グロースハッカーなどを経て、現在マネーフォワードのサービスオーナーを務める森氏からは、「ブランディング(UX)で売上をつくる」をテーマにお話しいただきました。

まず、プロダクトオーナーの役割として、事業計画へのコミット、事業計画達成のための戦略立案、プロダクトの成功へ最短距離で到達するための環境整備の3つを挙げ、その中で、短期的な売上の達成のための施策だけではなく、本当にやりたいと思っている「すぐに効果が表れにくい部分」はどうやったら売上につなげられるかを考え、ブランディングに着目したそうです。

ディズニーリゾートやクックパッドを成功事例に挙げ、ブランディングによる長期的な売り上げ拡大は可能と話した上で、マネーフォワードで実際に行ったブランディング施策を3つご共有いただきました。

1つ目は、「コアバリューの見直し」

当時、「未来」のお金が見えることを価値にサービスコンセプトを設定していたそうですが、ユーザーは「今」のお金が見えることに価値を感じていることに気が付き、改めてサービスの価値を考えたそうです。そこでサービスの価値を「お金に振り回されるのではなく、マネーフォワードによって、お金をコントロールできる」と定義し直し、さらに、ユーザーに届ける手段であるキャッチコピーは、短く、ストレートに伝えることにこだわったと話しました。

2つ目は、「コアバリューを行動指針に」

人数の多いチームでも、軸が統一されていればサービスはぶれないはず、と語り、サービスコアバリューをイメージに落とすことで、チーム内に浸透させた上で、コンセプトに沿っているかをチェックするステートメントシートを導入したとお話しいただきました。

3つ目は、「サービスのコアバリューを細部にまで浸透させる」

プロダクト戦略をまず策定した上で、集客とマネタイズの観点からターゲット・ペルソナを決め、さらにペルソナごとに課題の解決方法の言語化し、さらに、アクセス解析を行い、理想のUXを考えていったそうです。

また、サイトストラクチャーに関して、わかりやすい・快適なサービスを実現するために、UXストーリーを基にアクセス解析・データマイニングなど行うことで現状を把握し、デザインコンセプトである「スマート」、「温かみ」を基に、改善を行っている、と話しました。

最後に、ブランディング(UX)で売上を作る、とは、コアバリューをメンバーやサービスに浸透させ、ユーザーの本質的課題を解決し、ユーザーを熱狂させること、とまとめていただきました。

 

お二人目の登壇者は、唐橋 健二氏(株式会社Loco Partners – デザイナー)

ux10_2

満足度の高い宿泊施設のみを厳選して紹介する会員制の宿泊予約サービスであるreluxのデザイン統括責任者として、全てのプロダクトのUI/UXのデザインとHTMLとCSSの実装を担当する唐橋氏からは、日本一使いやすいアプリを創ろう!プロジェクトの裏側をご共有いただきました。

最初に、reluxのデザインについてお話しいただきました。

こだわっている表現として、「統一性」と「引き算」の2つを挙げ、ボタンの色を統一するなど、トーン&マナーを明確化することで使いやすさを実現、さらに、「引き算」という意味では、1つ機能を足したら、1つ機能を減らすようにしており、他のサービスには当たり前になるような機能でも、簡単には追加せず、純粋に考えて上で必要な機能のみを追加しているとお話しくださいました。

さらに、UXで気を付けていることとして、年に一度しか使わないユーザーが多いからこそ、一度の訪問で気に入ってもらえるよう、施設の魅力を最大限に生かすデザインと心地よいモーションを採用、また、エイプリルフールには「ドローンで行く7日間の旅」を掲載してみたりなど、遊び心も忘れないようにしているそうです。

続いて、社長の一言で始まった「日本一使いやすいアプリを目指そうプロジェクト」についてご共有くださいました。

まず、ベストアプリを取れる品質(Quality)、チーム4名の他に予算はナシ(Cost)、12月の受賞を目指すために、10月にはリリース(Delivery)、とQCDを整理することからプロジェクトがスタートしたそうです。そのために、日本に限らず、世界のイケてるアプリを触る、Googleの公式ガイドライン・資料を読みこむ、FireworksからSketchへデザインツールを変更したと話しました。

デザインにおいては、全アイコンをマテリアルアイコンへの差し替え、Googleの公式ガイドラインに沿って、レイアウト、エフェクト、余白に至るまで変更したそうですが、予約ボタンだけは、オリジナリティと使いやすさを優先し、ガイドライン通りではなく、フッターにボタンを置いたデザインにしたそうです。

ベストアプリを目指すには、多くのアプリに触ってみること、ガイドラインを忠実に守りつつも、サービスの個性を出すことを意識してみてほしい、と参加者に語り、データ分析ももちろん大事だが、reluxのデザインをよくしたいという思いからの行動が結果的にビジネスとしての数字を伸ばすことになった、データ分析ももちろん重要だが、数字からだけではなく、デザイン主導で考えてみることも大事なのでは?と締めくくりました。

ux10_3

 

今回も、レクチャーの後は、登壇者を含めての懇親会が行われ、大盛況のうちに閉会しました。

次回のUX Sketchもお楽しみに。