News

UX Days Tokyo × UX Sketchワークショップ「コンテキストの理解と実践」—UX Sketch vol.16

2016/11/10

9月16日(金)、Media Technology Lab(以下、MTL)Caféにて、UXについて考える会UX Sketchのvol.16が開催されました。

今回のUX Sketchは、vol.12でもお越しいただいたUX Days Tokyoの菊池崇氏と大本あかね氏をお招きした、ワークショップ形式での勉強会となりました。

ux16_1

本日の勉強会は、UX Days Tokyoの紹介からスタートしました。

UX Days Tokyoとは、海外からスピーカーを招いて開催している年に一度のカンファレンスで、UXにまつわる海外事例を紹介しています。

UXに関するトップレベルの講師陣のたくさんのお話を聞いてきた大本氏は、UXというものはわかりにくいものなので、“ユーザーのタスク+コンテキスト”と定義していると言います。また、UXは“体験”なので個人個人異なり、何が正解なのかがわからないものだと。

そこで今回はそのサービス・ウェブサイトのどこがいいのか、だめなのか、まずはそこに気づくこと、それを大本氏は“UXの鑑定士”になることと例え、目指すべき姿を紹介しました。

ux16_2

まず、座学の前に、事前に配布していた「Designing with context(コンテキストを理解する)」の記事を参加者に読んでもらい、それぞれのグループごとにディスカッションを行ってわかったことを発表してもらいました。

それによって、参加者全員がざっくりとコンテキストについて理解することができたようです!

その後、菊池氏による座学がスタートしました。

まずコンテキストを理解するためには、UXの6Dの図の中の“Discover”と”Define“の部分が大切だと話し始めます。

ux16_3

Designing with context(コンテキストを理解する)」の記事の中で、著者が総じて言っていることは、“バイアス(偏り)“。それぞれ開発者の置かれている環境や経験によって、サービスを作るのにバイアスがかかり、結果的にプロジェクトが失敗に終わってしまうこともあると言います。

例えば、スマートフォンのユーザーは小さな画面で会員登録はしないだろうと仮説を立てたことで、スマートフォン用のウェブサイトの情報量を極端に減らして会員登録ページをなくした結果、多くの損失を出すこともある、と話します。そんな中、Googleのリサーチの結果を紹介してくださいました。

Googleによると、スマートフォンのユーザーの特徴は…

  1. 暇つぶしをしている時がある
  2. 同じことを繰り返していることがある
  3. 急いでいる時がある

これらは、多少の“バイアス”がかかっているものの、誰もが納得できる内容。
また、Googleでは「Micro Moments(マイクロ モーメンツ)」という、「人々が何かを欲した瞬間に行うモバイルデバイスでの検索行動」を提唱しているそう。

それによると…
起きてから15分以内にスマートフォンをチェックする…68%
スマートフォンを昼夜問わずそばに置く…87%
1日にスマートフォンを150回チェックする
モバイルのトラフィックは増加している…20%
セッション時間は少なくなってきている…18%

とのデータが出てきています。

それを踏まえ、Googleではユーザーのニーズを理解してどんどんサービスを使いやすく進化させている。例えば、『Google map』。最近では、地図上でお店を検索でき、そのお店のレビューまで見られるようになってきたと話します。

さらに、“ユーザーは動物や獣と一緒である”という考えも紹介。

ユーザーは目的にまっしぐらに突き進むので、時にウェブサイトで買い物をする時に、送料無料だと思いこんでいたら、実は有料だったということに、買い物をした後に気付くというミスを犯すことがある。それは、ユーザーがウェブサイトの細かい表記まで見ていないからと分析し、だからこそ、身を持ってコンテキストを研究することは、サービスを作る上で非常に大事だと話し、座学は終了となりました。

菊池氏の貴重なお話を踏まえた上で、ワークショップへ。

ux16_4

ワークショップの課題は、旅行にまつわる具体的なシーンを想定し、その時に閲覧するウェブサイトをピックアップ。自らのコンテキストを踏まえた上で、このサイトのここがいい、ここがだめというところを考えること。改善点まで考えられるとより良いと大本氏より紹介し、ワークがスタート。

ux16_5

課題を与えられた参加者は各々、考えをまとめてグループ内で話し合っていきます。グループごとのディスカッションがどんどんヒートアップしていく中、いよいよ発表へ。

それぞれの経験や置かれた環境から異なるさまざまなシーンを発表し、ウェブサイトについてのよい点、だめな点を発表していきます。いつ、どこで、誰が、どんな状況でそのサイトを閲覧するのかを具体的なシーンで想定した発表には、まわりの参加者もうんうんと頷くような様子で聞き入っている様子。

時には、参加者から笑いが起こることも…。一人ひとりの発表に対して、菊池氏、大本氏にフィードバックしてもらいます。それによって、発表は人数を重ねるごとに、より高度な内容になっていきました。

ux16_6

そうして、すべてのグループの発表が終わり、最後に大本氏より「今後、サービスをつくっていく時には、さまざまなコンテキストが入ってきます。それを踏まえた上で、何を、どのようなターゲットに、どんなサービスで発信していくか。そんなことを考えながら、サービスをつくっていってほしい。今回はまだ最初の部分だけだが、いくら道具や手段が揃っていても最初の部分がしっかりとしていないといけないので、今回は重要な勉強会だったのでは? 基本の部分をしっかりと勉強していってもらいたい。」とのお言葉をいただきました。

参加されたみなさん、いかがでしたか? 大本さんがおっしゃっていた“UXの鑑定士”には近づくことができたでしょうか?いずれにしても、サービスやウェブサイトをつくっていく上での重要なヒントを得ることができたのではないかと思います。

UX Sketchは、これからも定期的に会を開催する予定です。参加者は、デザイナーである必要はありません。よいプロダクトをつくりたい、よいサービスをつくりたい。そんな想いを持っている方なら、どなたでも大歓迎!
次回11月25日(金)開催予定のUX Sketchも、UX Days Tokyoとのコラボワークショップとなります。詳細は近日中にconnpassにて発表いたしますので、ぜひお気軽にご参加ください!