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アダプティブ・ペルソナ・人づくり UX Sketch vol.2レポート

2015/08/06

Media Technology Lab(以下、MTL)Caféにて、UXについて考える勉強会『UX Sketch』のvol.2が7月31日金曜日に開催されました。

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挨拶も早々に会はスタート!

<当日タイムスケジュール>

19:15〜 開場

19:45〜20:05 新谷 和久(Media Technology Lab)

20:05〜20:25 坂田 一倫(Recruit Technologies)

20:25〜20:45 佐々木 亮介(LIG INC)

20:45〜20:50 アンケート記入・お知らせ

20:50〜22:00 交流会

 

今回お招きした講師はWEBのプロフェッショナルとして、UXの最前線で活躍する3名。今回も事例を交えてお話いただきました。

前回は「UXと事業計画」とテーマを掲げましたが(前回のレポートはこちら)、今回はテーマをあえて決めず、内容は講師の方々にお任せし、自由にお話いただきました。様々な角度からUXについての話が聴けるのもUX Sketchの面白いところなんです。

 

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ひとり目の登壇者は新谷和久氏(Media Technology Lab KOLA Creative Director)。

Web制作会社でのアートディレクションや、ウェブプロモーション、大手通信会社での携帯電話のUIデザインなど、様々な経験をしてきた新谷氏。その中で学んだことは「デザインを表現の手段として使うか、コミュニケーションの手段として使うか、それによってソリューションは変わってくる」ということだそうです。今回の新谷氏のプレゼンでもそのことについて語って頂きました。

現在新谷氏が担当しているのは、『KOLA』という、ネット上のエンターテイメントに関するコンテンツを集約した、エンタメプラットフォーム。「今までにないエンタメ体験でエンタメNO.1プラットフォームに」というビジョンを掲げています。「ビジョンは、いつでも立ち返れるよう、しっかりと作る必要がある」、というお話から、様々なユーザーニーズ・クライアントニーズへの対応方法や、『KOLA』で実際に行ったMVP(Minimum Viable Product)の検証結果など、Lean startupを実践する上で非常に参考になる事例も共有していただきました。

最後に、「今後取り組むべきこととして、アダプティブデザインを意識している」、ともお話しくださいました。「パソコン、スマートデバイス、ウェアブルデバイスなど情報を得るデバイスが多様化してきた昨今、それぞれのデバイスの役割に応じた機能を選択しデザインしていきたい」と、今後あるべきUXの姿の提案で締めくくっていただきました。

 

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ふたり目の登壇者は坂田一倫氏(Recruit Technologies – User Experience Designer;Medium Japan – Brand Ambassador)。

楽天株式会社でUXデザイナーとしてメディアの立ち上げに携わり、株式会社CONCENTにて新規事業支援を経験した後、リクルートテクノロジーズにジョイン。現在はその傍ら、Mediumの日本代表も務めている坂田氏。今回のプレゼンタイトルは「事業計画に求められるふたつの『プロペラ』」。坂田氏は、今は「モノ・コトだけでなく、人づくりをすべき時代になってきた」とし、これまであまり語られてこなかった「事業計画における組織の中の人について、『プロペラ』に例えた自身の体験談をお話してくださいました。

ひとつ目の「プロペラ」としてお話いただいたのはバランスチームについて。(UX)デザイナー、エンジニア、プロジェクトマネージャーの三者によって構成される、サービスづくりに必要な人のバランスの最適解を図る思想、と紹介しました。それぞれがチーム内ですべきこと、もっとも期待されていることを紹介し、それらを遂行し、そのバランスが取れた組織ができれば、責任の押し付け合いではなく、助け合いの文化が醸成していける、とまとめていました。

そしてふたつ目の『プロペラ』はプロダクトストワードシップ。バランスチームに加えて、ステークホルダー、ユーザーを巻き込んだ、社外に限定したコミュニティのことを指します。このふたつ目のプロペラを活用し、楽天時代に楽天ソーラーの立ち上げ時に経験した事例を共有していただきました。

様々な経験を重ね、「結局は人」という結論にたどり着いた坂田氏は、人をユーザーだけに限るのではなく、組織内の人を含めた「ユーザー体験」を追及していくことが必要、そのために誰がどこに関与し、どんな役割をするのか、がとても大事だとまとめていました。

リクルートテクノロジーズのブログも始まったようなので、是非チェックしてみてくださいね。

 

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三人目の登壇者は佐々木亮介氏(LIG INC – Director / CREATIVE)。

LIGの立ち上げ時から参画している佐々木氏は『巻き込み型UX設計のお話』をテーマにディレクターの立場からお話してくださいました。

「利用者にとってそれは価値のあるサービスか?」と頭に入れながら制作に取り組むのは当たり前ですが、迷走することがありますよね、と参加者に投げかけ、自身の『迷走』経験から、思想を共有できていない可能性を示唆していました。その原因として考えられる「事業側と制作側にあるギャップ」を埋めるために『巻き込み型UX設計』を考案したとのことです。巻き込み型UX設計のねらいは、全員の情報レベルを揃え、プロジェクトに対して共通理解ができた状態で、議論ができること、で、そのために、決定権のある人から制作者まで関係者を集めて理解・定義・決定を行うべき、と話されました。

全部で9つのToDoを説明してくださいましたが、その中でも特にペルソナの作成・理解、評価が特に重要だとまとめました。

具体例として挙げていただいた事例は、60名を巻き込んでの大型プロジェクト。自身が感じた課題感も含めてリアルな内容を共有していただきました。(日程調整がとても大変だったが、目標スケジュールを1か月短縮することができたそうです!)

様々な人を集めて事業に取り組むことで各々の理解が深まり、同じ方向を向くことができるのが巻き込み型UX設計だ、とまとめていました。

 

登壇者も時間いっぱい熱くお話しいただき、異なる立場からのお話に参加者も満足の様子でした。

今回も講演の後は、登壇者も含めた懇親会。違う会社の違う立場の人と話ができ、様々な経験を積んできた登壇者ともざっくばらんに話ができる貴重な場なのではないでしょうか?

毎月定例開催となったUX Sketch。次回は、場所を渋谷のTech lab PAAKに移して開催予定! 定員も増える予定ですので、定員オーバーで泣く泣く参加できなかった皆さんも、ぜひぜひ参加してくださいね!

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<左から、MTL、KOLAクリエイティブディレクター新谷和久氏、MTL、UX開発チーム グループマネジャー丸山潤氏、リクルートテクノロジーズ、UXデザイナー坂田一倫氏、LIG INC、ディレクター佐々木亮介氏>