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何ができれば『優秀なUXデザイナー』なのか?UX Sketch Vol.3

2015/09/02

月末の恒例となりました、『UX Sketch』のVol.3が8月28日開催されました。
今回は渋谷にあるTech lab PAAKでの初開催!銀座のMedia Technology Lab cafeで開催したVol.1、Vol.2から定員を増やしての開催となりました!ux301

<当日のタイムスケジュール>
19:00- 開場
19:30-19:50 伊藤 大輔(面白法人KAYAC – 企画部 ディレクター)
19:50-20:10 松川 進(Media Technology Lab)
20:10-20:30 宮村 和実(Netyear Group Corporation – UX Designer / Information Architect)
20:30-20:40 アンケート記入・お知らせ
20:45-22:00 交流会

今回のテーマは「何ができれば『優秀なUXデザイナー』と認められるのか?」。今回も現場の最前線で活躍されている3名を講師に招き、様々な観点から、事例を交えてお話しいただきました。

 

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ひとり目の登壇者は伊藤大輔氏(面白法人カヤック ディレクター)。

「UXデザインのことは、実は良くわかりません!」と衝撃的な告白からお話はスタート。というのも、伊藤氏はWebディレクター歴1年、それまでは広告代理店でアートディレクターをしていたのだそうです。伊藤さんは、ご自身の異業種からの転職という意外な経歴のお話くださったうえで、実際のクライアントワークを例に挙げてお話しくださいました。

伊藤さんがディレクターとして関わったNHKの「噴火の証言」という、2014年に起きた御嶽山の噴火の際の、登山者などの「証言」を集めたWebサイトと、IPSAのFace melodyという、ユーザーから送ってもらった顔写真でメロディーを作るというWebキャンペーンサイトを例に挙げてお話しいただきました。

「噴火の証言」では、ユーザーの見慣れたデザインを踏襲した方がわかりやすい、ということ(そのために、デザインを全直ししたそう!)、
「Face Melody」では、「はじめに」などをMENUに格納し、導線を1本にすることでわかりやすいUXが実現できるということを学びとして得たそうです。

この2つの経験から伊藤氏が得た気づきは、ユーザーが見たいもの、欲しているものを見せつつ、そこに訪れて心地よくなれるWebサイト作りができているか? ということ。

最後に、クリエイターの「カッコイイでしょ?」的なエゴが前面に出た、ユーザーが欲していないものをメインに持ってきてしまうサイトのことを、トイレが部屋の真ん中にあるような、ダメな部屋の間取りにたとえて「トイレサイト」と伊藤氏は呼んでいましたが、自分のWebサイトが「トイレサイト」になっていないか? を考えることが「良いUXデザイン」への近道ではないでしょうか? と会場に問いかけました。最後に、UXデザインのプロセスというものは「散らかった部屋をきれいに片づけて、部屋に招き入れる」ことに近い、とまとめて下さいました。

 

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ふたり目の登壇者は松川進氏(リクルートホールディングス Media Technology lab)。

普段はL’orem(http://l-orem.com/)という、
Mediumなどの海外メディアに掲載されたUX関連の記事を和訳し、掲載している、キュレーションメディアの編集長をされています。

今回は、「今必要とされるデザイナー」をテーマに、海外のデザイナーの考察をもとにお話しくださいました。
「UXとはUIである」、というMike氏の考えと「ハンバーガーメニューはごみだ!」というJames氏の考えを紹介した上で、松川氏はデザインの「常識を疑ってみる」ことを提案されました。

自分の中の常識や直感をもとに作る、今まで一般的に行われてきたデザインプロセスを否定し、それまでの常識を疑うということは大変なことだと前置きしながらも、そういった柔軟性かつ多様性をもった考えをもつデザイナーが今求められているのではないか? と話しました。Jonas氏の言葉を借りれば、その理由はフィードバックを得ることができるから、だそうです。

またUXの台頭により、デザインが変わってくれば、教育も変わる、とし、デザインのスキルのみならず、ファシリテーションなどの交渉の細やかなスキルまでもがデザイナーに求められ、教育していく必要がある、ともお話しいただきました。多岐にわたりお話ししていただいたまとめとして、世界的に「デザインと呼ばれるモノ」が変わってきていることは事実であり、その流れに対してどう向き合っていきますか? と参加者に問いかけました。

 

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三人目の登壇者は宮村和実氏(Netyear Group Corporation – UX Designer / Information Architect)。

15年ほどインフォメーションアーキテクトをしていて、社内でもUXデザインの教育などをしているという宮村氏の今回のテーマは「Bridge」。

デザインプロセスの中でUXデザイナーに必要なものはなんだろう? といったことを伝えたい。とお話しをスタート。

今回はデザインプロセス視点から、どのようにスキルを伸ばすか? をお話しくださいました。

スキルアップへのアプローチとして、リサーチ、UX設計、UI設計の3つの領域でシンプルに考えればよい、とし、それぞれがどういったことをすべき領域か、をお話しいただきました。本来であれば、横断的に学んでいくことがベストだが、実際はそうはなっていない現状を指摘されていました。

そもそもUX設計は、考えのないところに考えを作っていく、概念的、なおかつ戦略的な作業で、クライアントと共に考えていく、時にコンサルティングのような業務だと話しました。

デザイナーの一番大事なスキルは、幅広い専門分野への知見と、リサーチからUX設計へ、UX設計からUIデザインへの「各専門領域にまたがった横断的アプローチができるか」、と締めくくってくださいました。

 

講師からのお話のあとは、講師を含めた懇親会が行われました。講義では聞くことのできなかったことをざっくばらんに聞いている姿や、同じUXに携わる者同士、話に花が咲いていました。

参加者からは、「もっと長く話を聞きたかった」、「大変勉強になった」などの声が多く聞かれました。講師陣の自身が現場で様々な課題にチャレンジする中で培ってきた、貴重なノウハウや哲学を聞けるのはUX Sketchならでは、ではないでしょうか?

UX Sketchは、来月も同じく渋谷のTech lab PAAKにて開催予定です。次回はどんなテーマでどんな話が聞けるのか!? ぜひぜひご期待ください!