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今回のテーマは「IoT×デザイン」 UX Sketch Vol.5

2015/11/18

10月30日、今回は場所を渋谷Tech lab PAAKから、銀座Media Technology Lab(以下、MTL)Cafeに場所を戻し、UX Sketchvol.5が開催されました。

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<当日のスケジュール>
19:15- 開場
19:45-20:05 森藤 大地(ニフティ株式会社 – IoTディレクター)
20:05-20:25 松岡 貴英(キリン株式会社 – CSV本部 デジタルマーケティング部)
20:25-20:45 堺 大輔(teamLab チームラボ – 取締役)
20:45-20:50 アンケート記入・お知らせ
20:50-22:00 交流会

今回のテーマは、前回までとは趣向を変えて、

「IoT×デザイン」。

「IoT」は概念的でありながら、昨今のバズワードとして、巷をにぎわせています。
そんな「IoT」に対して、試行錯誤されながらも、現場の最前線で活躍する3名を講師にお招きし、それぞれの立場から事例を共有していただきました!
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おひとり目の登壇者は、

森藤大地氏(ニフティ株式会社-IoTディレクター)

森藤氏がクライアントワークをしてきた中でわかってきたこと、また現在取り組んでいることについて、お話しくださいました。
JavaScriptからデータの可視化までと幅広く経験を積まれてきた中で、現在はNIFTY IoTデザインセンターでIoTに取り組むクライアントと日々協働しているそうです。

クライアントの中には、詰めきらないまま「IoTで何か」やりたい、というあいまいな動機でNIFTYを訪ねてくる方もいらっしゃるそうです。そのため、必ずどのクライアントに対しても「IoTを導入することで、本当に得たい価値は何か」を聞くようにしている、と、心構えを語ってくださいました。

また、森藤氏がIoTに取り組む中で感じたことは、企画(顧客のビジネス)だけでなくて、技術(ビジネスアイデアの実現)もできる人が必要不可欠だということ。ご自身もエンジニアである一方、機能の提案をしたり、クライアントのニーズを引き出したり、と日々修行中だとお話しくださいました。

最後に、森藤氏の考えるUXとは、「顧客が説明した要件」から、「顧客が本当にほしかったもの」を読みとく・伺う技術を経て、「顧客がもっと喜ぶなにか」を考える技術ではないか、とまとめてくださいました。

■NIFTY IoT デザインセンター http://iot.nifty.com

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おふたり目の登壇者は

松岡 貴英氏(キリン株式会社 – CSV本部 デジタルマーケティング部)

これまでもいくつかのIoTプロダクトを世に送り出してきた経験のあるキリンが、今取り組もうとしているものは、「共創」かつ「コミュニケーション」の分野に当てはまるもので、これはキリンでも初めての試みだそうです。

キリンで取り組んでいるIoTはIllumicapという名の光るペットボトルキャップ。

どうやって若年層の「遊び」の中に入っていけるか、どうやって彼らの「遊び」にキリンの商品を組み込んでいけるかを考え、このIllumicapに本気で取り組んでいる、と意気込みを語ってくださいました。

このIllumicapを通して、キリンがチャレンジしていることの1つはIoTのコミュニケーション活用の可能性。

同時に、開発の初期段階はとにかくイマジネーションが大事とも訴え、広告グラフィックにもそのまま使えそう!といったアイデアや、サッカーの応援にも使えるのでは?と、様々な用途を考えていると、Illumicapの今後の抱負を語ってくださいました。

最後に、新しいものは賛否両論あって当たり前、と前提を置いた上で、IoTのような概念的で、初めは理解されにくいものを形にしていく段階で、どう人を巻き込むか、について現在にいたるまで注力してきたと話し、やはり「わくわく」することが一番重要だ、と締めくくってくださいました。
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■Illumicap http://www.illumicap.com/

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最後の登壇者は、

堺 大輔氏(teamLab チームラボ – 取締役)

お話の冒頭に、新江の島水族館で開催中の“えのすい×チームラボ  ナイトワンダーアクアリウム 2015”を告知、広義を持つIoTはバズワードではあるものの、「IoT×デザイン×teamLab」というテーマに対し、「どうしましょう!」と頭を悩ませたようで、登壇の直前に「IoT」で検索した、と会場を和ませてくださいました。

このところ、リアルな空間の中で、ユーザーに「デジタル」に触ってもらうことはかなりハードルが低くなってはきましたが、決して簡単なことではない、とお話しした上で、これまでのチームラボのプロダクトは、必ず裏側でネットにつなげることを意識していたそうで、現在にいたるまでに取り組んできた、「体験デザイン」の事例の共有をしてくださいました。

「チームラボアイランド -学ぶ!未来の遊園地-」の、
つながる!積み木列車”では、子供たちに「共創」することを少しでも体験してもらえたら、という思いで作られた作品。
積み木と積み木の間に、線路や道路ができ、列車や車が走りだす積み木です。色々な積み木を置く事で、たくさんの列車や車が走り、街はどんどん発展していきます。

体験者は、同じ空間で、いろいろな積み木を自由に置く事で、いつの間にか、みんなで、街を創っていきます。
子供たちの自然な衝動で積み木を遊んでもらうことで、「デジタル」に触れさせることができたと説明してくださいました。

他にも、テーブル上にいる「デジタル」な小人が、「リアル」な手で触れる動きに反応して動きをかえてゆく、
小人が住まうテーブル”、

1つの球体に触ると、球体の中にあるセンサーが他の球体へ通信することで色が変わってゆく、
浮遊する呼応する球体”、

凹凸のあるブロックをくっつけるとブロック同士の色が移り混ざり変わってゆく、
メディアブロックチェア”など、

チームラボの現在に至るまでの取り組みや、それぞれどのような体験をさせようとしたか、またそのためにどのようにUX設計をしたかをご共有くださいました。

また、これはIoTっぽい!とご紹介くださったのが、
チームラボハンガー”。
ハンガーにかかった商品を手にとると、ショップ内のディスプレイに、その商品のコーディネイトされた写真や動画を表示させるインタラクティブハンガーです。

teamLabHanger(チームラボハンガー)を使うことで、ハンガーをとるというこれまで無意識的に行ってきた行為がスイッチとなって、画像、映像、音、光を使った、新しい空間を表現できます。インターネットへつながっている感を最小限にすることで、多くの人に触ってもらい、そのあとは自分でインターネットへ情報を取りに行ってもらう、という全体を通しての設計を行った、とご共有いただきました。

現在に至るまでのチームラボの取組がIoTかはわからないが、「インターネット」はどこでも入ってきている、さらに、そういった環境になってきた、とお話しした上で、リアルな空間の中で使ってもらうデザインというものは、領域を横断して考えていかないと継続的に使ってもらうものにはならない、とまとめてくださいました。

最後にMedia Technology Lab内のサービスである、

Brain Portal

の紹介をさせていただきました。

ハードウェアスタートアップへの技術支援のサービスで、資金調達ができたのに量産試作で多くがつまずいてしまう現状をどうにかしたい、という思いでできたのがBrain Portalだ、とBrain Portalのプロダクトオーナーである笠井氏が伝えました。
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製造パートナーを見つけるのに苦労している場合には、工場のネットワークを、量産における想定以上の技術課題に直面している場合には、専門家のネットワークを提供しているそう。ご興味のある方は是非相談されてみてはいかがでしょうか?
info@brain-portal.net

大変興味深い、それぞれの「IoT×デザイン」についての取組をお話しいただいた後は、登壇者を含めての懇親会。ご来場戴いた方たちが、活発な質問をぶつけている姿が印象的でした。また、今回は金曜日での開催ということもあり、話の広がりはとどまることを知らないようで、終了予定時間を過ぎてもなお、大いに盛り上がっているようでした!

今回のUX Sketchには、IoTに実際取り組んでいる方から、IoTには詳しくない方まで、幅広い方々にご参加いただきましたが、IoTについて、様々な角度からのお話が聞けたこともあって、満足の声が多く聞かれました。

次回UX Sketchの準備も着々と進行中です!
UX Sketch vol.6の開催をお楽しみに。

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<左から、ニフティ株式会社 – IoTディレクター・森藤 大地氏、MTL UX開発チーム グループマネジャー・丸山 潤氏、teamLab チームラボ – 取締役・堺 大輔氏、キリン株式会社 – CSV本部 デジタルマーケティング部・松岡 貴英氏>