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2015年ベストアプリチームから学ぶ!デザインコンセプト設計2 UX Sketch vol.8

2016/03/09

2月26日、銀座・Media Technology Lab(以下、MTL)Caféにて、UX Sketch vol.8が開催されました。今回はなんと100名近い参加者にお集まりいただきました。ありがとうございます!

<当日のスケジュール>

19:00〜 開場
19:30〜19:55 亀谷 長翔(株式会社エウレカ – UI/UXデザイナー)
19:55〜20:20 藤木 裕介(株式会社JUBILEE WORKS – エンジニア / Co-Founder)
20:20〜20:45 宮上 佳子(株式会社メルカリ – デザイナー)
20:45〜22:30 交流会

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今回のテーマは、前回に引き続き「2015年ベストアプリ輩出チームに学ぶ、デザインコンセプト設計」。

昨年のiOS・androidベストアプリに選ばれたアプリの制作チームよりデザイナー・エンジニアをお呼びし、それぞれの視点からアプリ開発におけるデザインコンセプト設計についてお話しいただきました。

 

おひとり目の登壇者は、亀谷 長翔氏(株式会社エウレカ – UI/UXデザイナー)。

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2015年Google Play Storeでベストアプリを受賞し、カップル専用アプリとして業界国内最大級の「Couples」(https://couples.lv/)のデザインリーダーを務める亀谷氏は、「コンセプト設計は深さと順序が重要」と結論からお話をスタート。

そもそも「コンセプト」とは、サービスの価値の軸であり、UXと等しいと捉えていると伝えた上で、曖昧に定義されがちなUXについては、一つの要素で以って完成するものではない、根本がダメなら上の要素もダメ、すなわち、コンセプト設計における深さ、とは「複数の要素で成り立つ階層思考」とまとめました。

続いて、コンセプト設計の順序については、サービスの成長フェーズごとに取り組むべき要素が異なるという見解について実例を交えながらお話しくださいました。

まず、リリース前は、ニーズの掘り下げと、ペルソナの意識に注力すべき、と伝えました。Couplesでは、利用者のニーズが見えない状態でデザインを進めてしまった結果、リリース1か月前に全デザインを作り直す事件が発生。色味やテイストなど、ペルソナにあったデザインへ変えていったそうです。リリース前のフェーズでは、デザイン仮説を検証できるだけのペルソナの情報は最低限そろえた上で、利用者のニーズを想定してデザインすることが重要、とまとめてくださいました。

次に、リリース初期は質を高めて利用者の定着を狙うフェーズ、とし、実際の利用者からの声や既存サービスの研究が重要と伝え、実際にCouplesでは、リリース初期の利用者からは既存サービスとの比較要望が多く、吹き出しの色・形や、文字のサイズなど、画面要素を細かく分けて改善を行い、満足度を高めていったそうです。

最後に、リリース中期以降に必要なのは、コンテンツの精査とブランディングとし、厳密な効果測定を行い、チュートリアル(すなわち、強調すべき機能)の精査や、コンテンツの整理(=情報の内容・質の精査)、またコンバージョン率の分析などを行っているとお話しくださいました。

まとめとして、コンセプト設計の深さ、とは一連の要素が全てかみ合って、被体験者に価値を届けること、コンセプト設計の順序は、成長フェーズごとに必要な要件をつめていくこと、と伝え、最初に全て固めきる必要はない、と語りました。

 

おふたり目の登壇者は藤木 裕介氏(株式会社JUBILEE WORKS – エンジニア / Co-Founder)。

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デザイナーとしてYahoo!JAPANに入社、カカオジャパンへ出向する際、エンジニアに転向、その後、Yahoo!JAPAN時代のメンバーとJUBILEE WORKSを立ち上げたという藤木氏が手掛ける、2015年ベストアプリを受賞したTimeTreeは、複数のカレンダーを共有できる、カレンダーアプリです。

社長の奥さまのツイートが新規顧客獲得の起爆剤となり、日本を含む6か国で、ベスト新着アプリに選出、また、公開10か月で100万登録ユーザー獲得、さらに、翌週継続率も75%と高く、結果として日本・韓国・中国のApp Storeでベストアプリを獲得、その理由を分析し、ご共有いただきました。

1つ目の理由は、アプリのコンセプトが新しく、クオリティが高い、ということ。

個人のものだったカレンダーを、コミュニケーションをベースとした、共有するカレンダーアプリとして新しい価値提供ができたこと、そして、数字入力の際にテンキーが使えるといったような使いやすさにもこだわった結果、コンセプトに負けないデザインを実現できたことがユーザーに評価されたのでは、と話しました。

もう1つの理由は、メンバーをしっかり信頼できているから、と分析しました。

フラットな組織構成、そして、議論をして解決しようとする社風があり、どんな意見でも口に出せて、受け止めてもらえるという心持ちがあるからこそ自由な発想・議論ができていると語りました。

また、満足度を底上げするため、ユーザーとのコミュニケーションを重要視しているそうです。

「みんなでCS(をする)」と藤木氏が語るように、JUBILEE WORKSでは、アプリ内の問い合わせは全員に共有したり、エゴサーチもよくするなど、CSにはかなりリソースを割いているそうです。ユーザーインタビューはもちろん、アプリのファンを会社に呼んで、オフィスパーティを開くなど、ユーザーとの直接のコミュニケーションを大切にし、クオリティの向上に努めているとお話しいただきました。

最後に、今後の目標として「よくできたアプリ」ではなく、「特別なアプリ」をつくりたい、また「アプリとそのユーザー」以上の関係を築いていきたい、と締めくくりました。

 

さいごの登壇者は宮上 佳子氏(株式会社メルカリ – デザイナー)。

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日本とアメリカで展開中のフリマアプリ・メルカリの立ち上げ時よりデザイナーとして参画している宮上氏からは、メルカリのデザインについてお話をいただいたあと、会場からの質問に答えて下さいました。

アーリーアダプターではなく、ITリテラシーがそこまで高くない、「普通」の人に使ってもらうために、日々デザインの改善をしているそうで、デザインコンセプトについて、アメリカ展開の前後に分けて、お話しくださいました。

母数を取れるかが勝負のフリマアプリで日本をとるために、宮上氏が意識したことは、「下げられるだけ敷居を下げること」で、宮上氏が名付けた「しまむら理論」をもとに、かっこよさよりも、わかりやすさ・つかいやすさを重視したデザインを実装した、とお話しいただきました。

また、アメリカでの展開をするためのデザイン設計を行う際には、「日本人が見てもアメリカ人が見ても奇異に感じず、老若男女に抵抗なく受け入れられ、且つ、実装が最高に早い。」とコンセプトを決め、現在のデザインに落ち着いたとお話しいただきました。(ソースコードも日米共通なんだとか!)

 

ご登壇の後は、参加者と登壇者を含めた懇親会。

多くの参加者にお集まりいただいただけあって、閉会の時間間際まで盛り上がりました。

次回はUX Sketch初めての試み、UX Sketch ワークショップを開催予定です!

また、通常のUX Sketchは、2015年ベストアプリ制作チームからご登壇いただき、「データから改善するユーザーエクスペリエンス」をテーマに開催予定です。

次回の開催をお楽しみに。

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