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「機能するデザイン」を考えるために、必要なこと。 UX Sketch Vol.4

2015/10/02

MTL主催のUX勉強会『UX Sketch』のVol.4が9月27日に開催されました。

今回初めての日曜日開催でしたが、なんと100名近い方がご参加くださいました!ありがとうございます!
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<当日のスケジュール>
18:00- 開場
18:30-19:00 鈴木健一(STANDARD inc. – Founder / UI Designer)
19:00-19:30 内山賢一(株式会社リクルートライフスタイル – UXディレクター)
19:30-19:40 休憩
19:40-20:10 有馬トモユキ(日本デザインセンター – チーフデザイナー)
20:10-20:20 アンケート記入・お知らせ
20:20-22:20 交流会

今回のテーマは、

「機能するデザイン」を考えるために、必要なこと。

現場の最前線で活躍する3名を講師に招き「機能するデザイン」について、三者三様の考えをお聞かせいただきました。

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おひとり目の登壇者は鈴木健一氏。(STANDARD inc. – Founder / UI Designer)。

元ケーキ職人で趣味はダイエット、と意外な!? 自己紹介をした後に、「どんな方が来場されていますか?」と会場に質問。スタートアップに関わる方、事業開発に携わる方など、どんな方が参加されているのか確認してからお話をスタート。

「これならすぐに出来そう!」と実際の業務に活かしてもらえるような気づきを与えることを今日のゴール、とし、参加者を巻き込みながらのトークとなりました。

今回は開催テーマに沿ってふたつの問いについて話を進めてくださいました。
『事業における「機能するデザイン」とは何か?』というひとつ目の問に対して、事業って?、事業の目的って?、 ユーザーが商品やサービスにお金を払う時って?、と深堀りし、「機能するデザイン」とは、「誰のどんな問題を解決するか?を設計し、事業存続につなげること」とまとめました。

次に、『「機能するデザイン」をどのように設計するか?』というふたつ目の問いに答えるにあたり、あなたのサービスを使う人と、その人たちがどんなことで困っているのか、実際にある問題がなにかを考えなくてはならない、、と話し、その解決策として、仮説検証ツールである『Javelin Board』を、実際のサービスの検証を例に挙げながら、基本的な使い方や活用法を紹介してくださいました。

事前に仮説検証することで、早い段階で誤りに気付き、軌道修正ができる。この「機能するデザイン」のプロセスは、キャッシュとリソースに制限がある場合に有効だと話し、

「機能するデザイン」に必要なことは、

『誰のどんな問題をどのように解決するかの理想を描き、描いた仮説が実在するか、

事前に検証できないかを検討し、現実とのギャップに学びながら軌道修正していく必要がある』、

とまとめました。

最後に、問い(Q)に対するAはAnswerではなく、Assumption(仮説)でしかない、と付け加え、顧客の分だけ解があるので機能するためには仮説検証を繰り返すしかないのでは?と参加者に問いかけました。

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おふたり目の登壇者は内山賢一氏(株式会社リクルートライフスタイル – UXディレクター)。

SUUMOの新規立ち上げを含め、これまでに50以上の案件に携わってきた経験に加え、社内においてUXデザイナー人材の定義や、社内教育なども行っているそうです。

「そもそも機能するって?」の内山氏なりの回答を参加者と会話しながら進めたい、と話し始め、まず一枚の写真を参加者に提示しました。

とあるコンビニのセルフサービス式コーヒーマシンの写真なのですが、マシンに表示されているボタンデザインやインフォメーショングラフィックだけでは消費者にはわかりづらいようで、お店側も工夫し、手書きのPOPなど、何かしらの手を加えて運用をしているようです。

手を加えることでわかりやすくなりはしたけれど、はたして「機能する」デザインになったのでしょうか?さらに、そもそも利用者が満足してコーヒーを買うまでの流れの中で、どこまでがUXデザインなのでしょうか?、とも問いかけました。

今回のコーヒーマシンのように、デザインが「機能していない」という失敗が起きているということは、「デザインとして」見えていないところでも問題が起きているのでは?と問題提起しました。

コーヒーマシンのデザインを改善しようとすると、そもそもセルフサービスで販売することがベストなのか?といったビジネス戦略から、集客戦略、商品戦略、店舗内の案内まで考える必要があるとも話しました。そこまで考えて「デザイン」をしている人は多くないと思うが、デザイン以外の部分にも目を向けていかないとせっかくのデザインが活かされないことになる、ともおっしゃいました。

実際内山氏は1つのプロジェクトにおいて、デザイン作業以外にかけている時間が大部分をしめるそうです。

最後に、

定めるゴールによって「機能する」という意味合いも変わってくると話し、

正しいゴールを定めることが、「機能する」デザインのために大事なことではないか?

とまとめてくださいました。

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最後の登壇者は有馬トモユキ氏(日本デザインセンター – チーフデザイナー)。

普段はグラフィックやWeb、アプリのデザイン・設計をされていて、個人のデザインワークをまとめた著書の紹介をしてお話しをスタート!

グラフィックデザイナーからキャリアをスタートし、現在は2011年に社内に新設されたオンスクリーンデザイン研究所のチーフを務めている有馬氏。ご自身も「機能する」デザインってなんだろう? と、考えてはいるものの、明確な結論が出ていないそうです。

機能するデザインを考えるうえでご本人がテーマとしているのが、

「可搬性を伴うこと」(メディアを横断して移植されやすいこと、ユーザー間で拡散されやすいこと)

クライアントのオーダーをそのまま鵜呑みにせず、自分なりに検証し、メディアにとらわれない提案をすることも多いそうです。

また、ご自身がデザインした、Webサービスのロゴデザインを例にあげ、ロゴが指すものはもはや「言語」になりうるという氏の考えを踏まえた上で、

「デザインは言語である」

と考えているともおっしゃいました。

そして、言葉の解釈(定義)も時代の流れの中で変化してきた話を紹介し、「納品」したロゴもある意味では完成形ではないと考えていると話してくださいました。

さらに、氏が制作に携わったアニメーションについても事例をあげ、ユーザー同士が同意できるような、作品世界の中での共通言語をつくることにも注力し、作品タイトル自体を略語の形にして、ロゴをデザインするなど、様々な試みがあったそうです。

最後に、「デザインという概念の幅がどんどん広くなっている。その上で、デザインは豊かで高貴である」とまとめてくださいました。

講義の後はいつも通り登壇者も含めた懇親会! 登壇者と話を深める人もいれば、参加者同士の親睦を深める姿もあり、参加人数が多いだけあって、盛り上がっている様子でした!
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さて、今回は休日の開催ということもあって、いつもの金曜日の開催にくらべ登壇者のお話や質疑応答の時間を取ることができ、参加者にとっていつも以上に有意義な時間になったのではないでしょうか? 特に今回は、登壇者3名の経験と個性がお話の中にも色濃く出ていました。そして、様々な角度から「機能する」デザインの話が聞けたことに対し、とても満足されたようでした。

来月ももちろんUX Sketch vol.5開催予定ですので、ご期待ください!

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本日の登壇者。左より、内山氏、鈴木氏、有馬氏