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事業企画・ユーザーニーズに紐付いたデザインの考え方と作り方 UX Sketch vol.9

2016/03/17

3月5日土曜日、株式会社リクルートホールディングスMedia Technology Lab.が企画・主催を行なっているUX Sketchの新たな試み、UX Sketch vol.9が渋谷・TECHLAB PAAKにて開催されました。

普段は、現場の最前線で活躍する講師の方々にご登壇いただいておりましたが、UX Sketch vol.1でご登壇いただいた、株式会社root 代表取締役 / デザインディレクター の西村 和則氏を講師にお招きし、ワークショップを開催しました。

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「事業企画・ユーザーニーズに紐付いたデザインの考え方と作り方」をテーマに、チームでワークショップを進めていきました。

<当日のスケジュール>

13:30 – 14:00 開場
14:00 – 14:15 目的の共有・考え方のインプット
14:15 – 14:20 テーマの提示
14:20 – 16:00 ①〜⑤コンセプト設計まで
16:00 – 17:00 ⑥プロトタイピング
17:00 – 18:00 ⑦発表

 

まずは西村氏から本日の趣旨について

「事業企画者からの「こういうサイトが参考で、こんなイメージで」という依頼に対して、デザイナーがアウトプットを企画し、実作業に取り掛かるというプロセスではすごく手戻りが多くなりがち。デザイナーには事業企画者の目的が見えていない上に、事業企画者はデザインの専門家ではないので、アウトプットのイメージが事業の目的とイコールになっていない可能性がすごく高い。こういった場合、デザイナーは、事業企画者が何を目的としているのか、さらに、アウトプットのイメージなどをヒアリングする必要があると思っています。これができていないと、問題の本質を問うことができないわけです。事業目的や、ユーザーニーズを持たすデザインが、実現できないのは問題ですよね。
事業開発においてデザイナーに求められる能力って、アウトプットを作る能力は前提で必要ですが、問題解決能力も求められてくるのでは?」とお話しいただきました。

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当日は、チームビルディングの後、実際にあるアプリ/Webサービスをテーマに選びました。この後課題設定をしていくので、Facebookのような、様々な用途のユーザーがいるサービスよりも、単一機能のシンプルなものを、と西村氏が話し、それぞれのチームのテーマを決めていきました。

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次に、附箋を使って、選んだサービスについて、利用シーンから課題を探ります。この時に重要なのは、このサービスはだれ向けのサービスなのかを意識して書き進めていくことだと伝え、それぞれ、利用者、利用時間、利用場所に加え、誰と利用しているのか、なぜ、どのように利用するのか、思いつく限りの利用シーンを書きだしました。

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利用シーンを整理できたあとには、サービスの課題を書きだしました。
ここで「誰が」を明確にしないと正しく課題の深掘りができないので年代、性別、利用シーン、その中で困ること明確にし、出てきた課題をグルーピングした上で、ディスカッションし、解決する課題を1つ選びました。

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つづいて、「サービスゴール」、「課題点」、「ユーザーが求める価値」、「解決策」の4項目にわけて課題定義を行いました。ワークに着手する前に、西村氏より、フリマアプリとコミュニティーサービスを例に挙げ、進め方を提示しました。

課題定義ができた後は、価値を機能に置き換える作業。ユーザーニーズを満たすために必要な機能を整理していきました。

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実際に課題を解決できるデザインをプロトタイピングしていきます。

ホワイトボードで画面遷移を構成するチームや、チームそれぞれ異なるソフトでプロトタイピングをするチームなど、それぞれ1時間後の発表に向けてプロトタイピングしていきました。
この時西村氏は「口頭で議論していると、アウトプットがまとまらないので、まずはアウトプットしてから、話を進めてほしい。」と伝えました。

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各チームに発表していただきました。

1時間という短い時間の中で、かなり完成度の高いアウトプットがなされ、西村氏も「ここでサービスが出来上がってしまいましたね、これがあったら使ってみたいと思うくらい。」と言わしめるチームもいました。

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発表を終え、この日のまとめとして、

「今日はこの一連の流れを体験してもらうことが重要だと思っています。普段、指示を与えられて、アウトプットをする人も多いと思うのですが、事業コンセプトや、どういうユーザーいて、何に困っているのか、何を目的にしているかを考えることはすごく大事。それができないままデザインを進めてしまうと、理にかなっていないものになってしまいますし、ユーザーニーズとアウトプットにミスマッチが起こってしまう原因かな、と思います。

今日やってもらった一連のプロセスを、もっと短いスパンで、さらに高速で繰り返すことで精度があがっていきます。まずは、スピーディに絵を起こすプロセスまで考えて、アウトプットしていくと、より正確な解決策を導き出せると思っています。

今日体験してもらったことをもとに、他のサービスに触れる時も、「どういう意図で設計されているのか?」を意識して、考えてみてほしいと思います。そうすると、自分がアウトプットを作るときに「なぜこうなのか?」を問うようになります。「なぜそれをやるのか」を1つ上のレイヤーに戻って考えてみると、目的に沿ったアウトプットができると思うので、意識して、実践してもらえれば、今日ワークショップで体験したことを実務に活かせたことになると思います。」と参加者に伝え、ワークショップは終了しました。

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普段から、事業企画の段階からデザインに関わってきている西村氏だからこそのワークショップを開催していただきました。ご参加されたみなさんは、普段、そのサービスの目的まで考えて、アウトプットをすることはそこまで多くはなかったのではないでしょうか?今回は、みなさんにとって新しい発見の多いワークショップになったことと思います。

これからも様々な形で、「UX」について考える機会を企画していきたいと思いますので、これからのUX Sketchにもご期待ください。

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